西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

出羽三山神社神職養成所、学生募集を休止

【 注 意 】 この記事には一部不正確な情報や修正すべき点などが含まれていたため、この記事の不正確な情報を修正した記事を新しくアップロードさせて頂きました。新しく書き直した平成23年10月25日付のその記事も併せてお読み下さい。宜しくお願い致します。


一般に「神職養成所」と称される学校(神社本庁の定める「神職養成機関に関する規程」の第四十一条で「専門教育機関」に分類される神職養成機関の事)は、山形県鶴岡市にある出羽三山神社神職養成所、宮城県塩竈市にある志波彦神社・塩竈神社神職養成所名古屋市熱田区にある熱田神宮学院京都市上京区にある京都國學院(但し事務所は京都府八幡市)、三重県伊勢市にある神宮研修所島根県出雲市にある大社國學館の6校です(校名は北東から南西の順に列記しました)。

出羽三山神社神職養成所 入所要綱

しかし、大変残念な事に、このうちの一校である出羽三山神社神職養成所は、今年度から学生の募集を休止してしまいました。以下に、『出羽三山神社神職養成所が募集を休止 教育、態勢見直しへ』という題で山形新聞に掲載されていた記事(先月12日付)を転載させて頂きます。この記事に、同養成所が学生の募集を休止した経緯や、養成所としての今後の方針などが書かれています。ちなみに、上の写真は同養成所のパンフレット(入所要綱など)です。

鶴岡市の出羽三山神社神職養成所が、本年度から新入生の募集を休止している。養成所を取り巻く状況の変化を受け、教育システムや受け入れ態勢を見直すためで、募集再開時期は「未定」。アマチュアカメラマンらから風物詩として親しまれてきた同養成所のみそぎも休止となるため、ファンからは惜しむ声も出ている。

同養成所は1962(昭和37)年開設。県内外からこれまで約200人が入所、卒業している。入所者は“全寮制”で神学や古典などの学習に取り組みながら修行に励む。当初は1年制で、卒業すると一般的な神社で宮司を務めることができる神社本庁の資格「権正階」が取得できた。80(55)年からは2年制となり、権正階より1つ上の位「正階」が取得できるようになった。卒業生のほとんどは地元に帰り神職に就いている。

入所できるのは原則的に神社の跡取りとなる人。83(58)年には初めて女性が入所したほか、近年は「スピリチュアリティー」(霊性、精神性)ブームなどの影響で神社の跡取りでない人からも神職を志す人が現れるようになった。神職志望というよりも、「修行がしたい」という理由で入所について問い合わせてくる人も少なからずおり、同神社は対応に苦慮していたという。

こうした状況の中、昨年度ただ1人だった入所生が中退したことや、本年度は偶然、入所希望者がいなかったことを契機に同神社は募集を休止。女性受け入れにも配慮した設備の整備や、卒業後即戦力として活躍できる人材の育成を目指した授業時間増といった教育課程見直しなどを検討している。ただ、従来通り神職志望者以外を受け入れる考えはないという。

同養成所は毎年3、4月に羽黒山の祓(はらい)川で卒業、入所みそぎを行ってきた。雪解け水の中で一心に大祓詞(おおはらいことば)を詠み上げる姿はアマチュアカメラマンにとって絶好の被写体。例年多くの人が撮影に訪れていたが、募集休止により、今年3月に行われた卒業みそぎが当面の“ラストみそぎ”となった。

同神社には本年度のみそぎの日程に関する問い合わせが相次いだといい、みそぎがないことを知った人からは「楽しみにしていたのに」などと残念がる声が聞かれたという。同神社は「募集再開を目指して検討を重ねていきたい」としているが、現段階で再開の時期は未定だという。


私は出羽三山神社神職養成所については然程詳しくはないので、出羽三山神社神職養成所がどのような養成所であるのか、同養成所が発行しているパンフレット(入学要綱)から、その概要が書かれている文章の一部を転載させて頂きます。

【沿革】 出羽三山の子弟養成の歴史は古く、遠く神仏習合時代に遡り、修厳の山として、その信仰区域は東三十三ヶ国(関八州・奥羽・佐・信・越)に及び、八宗兼学の山として栄え、その支配寺院は八千を数えるに及び、従ってその子弟の修業、養成、補任は全て三山で司っていた。明治維新の神仏分離後は、明治十六年に皇典講究所山形分所が置かれ、県内神職は殆どが当所出身者である。戦後は養成講習を主とし、山形県神社庁と共催の下に後継者の養成に当たってきたが、昭和三十七年神社本庁の承認を得、又、地方の実情を勘案し、権正階課程の乙種養成機関として発足を見、開設以来数多くの卒業生を斯界に輩出し、昭和五十五年より本庁規定の改正により二年制度に移行、現在に至っている。又、昭和六十三年には、氏子崇敬者の教化・育成の場として完工された参集殿内に、神職養成所を併設し、施設が拡充された。

【教育方針】 通常の日課は、午前中社内外より講師を招き講義を行い、午後は神務実習を行う。この日課を基本とし、四季折々に出羽三山の伝統によって培われた環境の中で、神職として必要な教養・知識を学び、更に礼儀を重んずる精神を涵養し、将来氏子崇敬者を教化出来得る人間形成を目標に、基礎的な学業並びに実務実習を行うことを方針とする。

【特色】 全寮制で寮監が起居を共にし生活指導に当たっている。朝御饌祭、夕御饌祭には全員参列し、授業時間以外は神社職員が実務実習に当たっている。秋の峰の山伏修行(八月二十六日〜九月一日)には全員入峰し心身の陶治を行っている。夏山期間中は月山、羽黒山、湯殿山に配し神務実習を行う。他の養成機関との交歓会を実施し、人的交流の拡大につながっている。

【日課】 06:00 起床・洗面 / 06:10 点呼・国歌斉唱・敬神生活の綱領唱和 / 06:30 清掃(社殿・境内・居室内) / 07:00 朝御饌祭(奉仕並に参列) / 07:30 朝食 / 08:50→10:20 第一時限 / 10:30→12:00 第二時限 / 12:00 昼食 / 12:50→14:20 第三時限 / 14:30→16:00 第四時限 / 17:00 夕御饌祭(奉仕並に参列) / 18:00 夕食 / 19:00 点呼・報告 / 20:00 入浴・自習 / 22:00 就寝・消灯

下の写真は、このパンフレットの裏表紙に掲載されていたもので、出羽三山神社神職養成所での学生の日々の生活の様子が伝わってきます。このパンフレットによると同養成所での開設科目は、神道史概説、神道概論、神道教化概説、神道神学、神道文献、神典講読、神社祭式、祝詞作文、祭祀概論、宗教概説、延喜式祝詞、神社故実、関係法規、日本史、倫理学、漢文、国文、書道、茶道、体育、詩吟で、下の写真には祭式や茶道の授業の様子も掲載されています。

出羽三山神社神職養成所 入所要綱

また、このパンフレットに挟まれている別紙「入学案内」の、「概要」の項には以下のように書かれています。これを読むと、一口に養成所とは言っても、やはり他の職種の養成所とはかなり違うのだという事が理解できます。自由や権利ばかりを主張するようなワガママな人はまずやっていけないでしょうね。

(1)養成所での生活は、学校教育といふより、親方のもとに弟子入りして技術を修得するといふ職業教育に似てゐます。 (2)長幼の序とか上下の礼といった、現代の学校教育や家庭教育には殆ど退けられてしまった考へ方を基本として指導します。 (3)養成所の定めた日以外には、休暇や自由時間は与へません。また、プライバシーといふものも殆どありません。 (4)指導方針に従はない者は、退所させます。 (5)歴史と伝統を重んじ、神職として生涯を生き抜く決意と、調和の心と向上心を持った、熱意溢れる若人の参集を期待します。

ちなみに、前出の山形新聞の記事中にあった「卒業みそぎ」については以下の各ページで紹介されています。御参照下さい。同養成所の卒業禊は、出羽三山では3月を代表する風物詩の一つになっていたようです。

http://www.shonai-nippo.co.jp/cgi/ad/area.cgi?p=002005003004:2006:03:21 (庄内日報 平成18年3月21日)
http://www.shonai-nippo.co.jp/cgi/ad/area.cgi?p=002005003004:2008:3:21 (庄内日報 平成20年3月21日)
http://yamagata-np.jp/news/201003/20/kj_2010032000347.php 山形新聞 平成22年3月20日)

私としては、神社界の更なる発展に寄与すべく、出羽三山神社神職養成所が学生募集を再開される事を切に期待しております。


(田頭)

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