西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

上棟祭の神籬と棟札

神籬と棟札

今日は午後から、上棟祭で使う神籬(ひもろぎ)の奉製作業を行いました。神籬というのは、祭典や神事において神様が宿られる依代(よりしろ)のことで、当社の上棟祭では、御幣(ごへい)の付いた串に、鏑矢(かぶらや)と雁股矢(かりまたや)という2本の矢を麻紐(あさひも)で縛り合わせたものを神籬として使っております(写真の右側の串)。

今日の奉製作業では、まず御幣を作り、その御幣を串に刺し込んでから、鏑矢と雁股矢を縛り合わて神籬を作る、という作業を繰り返し行いました。「鏑矢」は天の矢・陽の矢、「雁股矢」は地の矢・陰の矢とされており、それぞれ古来より災厄や不祥を祓い除くものとされており、それ故神聖なものとして、当社では上棟祭の神籬に使用しております。

また、古来の上棟祭では「鳴弦の儀」といって、祭典中に実際に弓を持ち、鏑矢と雁股矢を放つように構え、矢は放たずに弦を打ち鳴らす、という所作が行われており、当社の上棟祭の神籬に鏑矢と雁股矢を使うのは、その「鳴弦の儀」の名残としての意味もあります。

写真の左側の大きな木札(高さ約60cm)は、棟札(むなふだ)と云われるもので、主として将来のための記録で、上棟祭でお迎えされる神様の御名前や、上棟祭が斎行される日付、建主・施工業者・棟梁の名前などが記され、祭典中は神籬とともに祭壇奥の中央に奉安されます。祭典後は、神籬も棟札も施工業者が預かり、後日、大工さんが小屋裏に打ち付けます。

(田頭)