西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

明階検定合格・正階授与

神職としての立場や経歴等を対外的・対内的に明示するものとして、神職には、階位(具体的には明階正階権正階など)、身分(具体的には二級上、二級、三級など)、職階(具体的には宮司禰宜権禰宜など)という3つの制度があります。今回は、このうちの階位について、その中でも特に「明階検定合格・正階授与」の場合の手続き等について、記させていただきます。はっきり言いまして、今回の話題は現職の神職(の中でも特に一部の人たち)以外には何の興味もない話だと思いますが、しかし最近、個人的にちょっと気になっていることがありましたので、そういったことも踏まえて今回はあえてこの話をさせていただきます。

ちなみに、「そもそも階位って何?」とか「明階とか正階って何のこと?」という方は、3月16日付の記事「神職の階位」をお読み下さい。また、階位の取得方法について、及び後述する各課程(高等課程、専修課程、専攻課程など)については5月6日付の記事「神主になる方法」に、身分について、及び階位と身分の違いについては3月17日付の記事「神職の身分」に、職階について、及び階位と職階の違いについては3月18日付の記事「神職の職階」に、それぞれ詳しくまとめさせていただきましたので、興味のある方はこれらの記事も是非御参照下さい。

従来は、國學院大学皇學館大学にそれぞれ設置されている高等課程や専攻課程を修了すると(神職課程単位取得者も含む)、「明階検定合格・明階授与」とされていましたが、制度の改訂により、高等課程では平成10年度入学者から、専攻課程Ⅰ類では平成13年度入学者から、検定合格と同時に明階は授与されなくなり、それぞれの課程修了者は「明階検定合格・正階授与」とされるようになりました(ただし、制度改訂により新たに発足した専攻課程Ⅱ類と明階総合課程では、修了と同時に明階が授与されます)。現在、京都國學院にのみ開設されている専修課程も、両大学の高等課程と同様、修了時は「明階検定合格・正階授与」とされ、卒業と同時には明階は授与されません。

では、「明階検定合格・正階授与」の者が明階を授与されるためにはどうすればよいのでしょうか。私の周囲を見ると、「明階検定合格・正階授与」の該当者(平成13年度以降に国大・皇大を卒業して神職になった人の大半が該当者のはずです)の中には、意外と明階が授与されるための要件や手続き等を知らない人が多く(冒頭で述べた個人的にちょっと気になっていることとはこのことです)、また、「明階検定に合格している人の人数を考えると、本来であれば、明階の授与申請の件数はもっと多くなければならないはずなのに」という話は他でも聞いたことがあり、明階検定合格者の中には明階授与の申請について意外と無関心・無頓着な人が少なくはないようなのです。

私自身は「正階検定合格・正階授与」なので、本来私には明階の話は関係ないのですが、今回は以上の事情を踏まえて、明階申請の要件や手続き等の詳細を、以下にまとめさせていただきます。

≪明階を申請できる要件≫

高等課程・専修課程・専攻課程Ⅰ類の修了者で明階検定に合格している者が、明階授与の申請をするためには、以下の要件3点を全て満たしている必要があります。

神宮、神社、神社本庁及び神社庁にて2年以上の奉職歴を有していること。本庁包括外の神社であっても、その神社が鎮座する神社庁長の具申により本庁が適当を認めた場合は、この要件を満たします。②初任神職研修の受講が完了していること。初任神職研修とは、新任神職を対象に各神社庁が3泊4日の日程で実施する研修で、受講生は期間中、全員会場(大抵は神社庁)に泊まり込んで研修を受講します。③初任神職研修の他、4日間以上の各種研修の受講が完了していること。

上記3点の要件を満たしていれば、神社庁を経由して本庁に対して明階の授与申請を行なうことができます。逆にいうと、これらの要件を満たしていなければ、例え明階検定に合格していても、明階の申請はできないということです。例えば、神職養成機関を卒業後、神社関係に奉職できなかった場合や、奉職が叶ったとしても研修に出席しなかった場合などは、明階を申請する資格がないのです。

なお、①の要件には、事務職員や巫女としての在籍も含まれており、神職のみには限定されておりません。また、①でいう「本庁包括外の神社」に具体的にどの神社が含まれるのかというのはかなり微妙な問題ですが、例えば本庁と協調関係を維持している蘘國神社伏見稲荷大社などは確実に含まれると思います。逆に、教派神道系の神社はまず含まれないと思います。

≪明階の申請に必要な書類≫

申請に必要な書類は以下の通りです。「写」についてはコピーで構わないそうです。

①階位授与願。②履歴書。③明階検定合格証の写。④正階階位証の写。⑤任用辞令の写または在職証明書(神社庁で発行)。⑥研修修了証の写(初任神職研修と各種研修4日間以上の受講を証明できるもの)。

≪明階授与料≫

正階を授与されてから5年を過ぎている場合の授与料は、通常の金額120,000円ですが、正階を授与されてから5年以内の場合は、神社本庁の定める「階位検定及び授与に関する規定」の「第十六条の二」の差額措置の適用を受けることができ、授与料は30,000円です。これは、「階位検定及び授与に関する規定」の「第十六条の二」に「明階を授与される者は、正階を授与された日から5年以内に限り、明階申請時の規定に掲げる明階授与料から既に納付している正階授与料を差し引いた金額を納付する」と規定されているためです。

ですから、正階取得から5年以内に明階授与の申請をしなければ、この規程の適用は受けられず、通常の授与料を支払わなければならなくなりますので、既に明階申請の要件を満たしている場合はすぐに明階を申請すべきですし、まだ明階申請の要件を満たしていない場合、例えば研修履歴を満たしていない場合などは、積極的に研修を受けて極力早めに明階の申請要件を満たすべきです。12万円と3万円の差はかなり大きいですからね。

(田頭)