西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

左馬(ひだりうま)

左馬

当社で扱っている授与品の中には、「馬」の文字が鏡に映ったように逆さに書かれている「左馬」のお守り(写真参照)、根付、絵馬があります。「左馬」関連の授与品は、神社では滅多に見ることがないとても珍しい授与品、という程ではないものの、あまり一般的な授与品でもないため、「左馬」を知らない人は意外と多く、ときどき「左馬って何ですか?」と訊かれることがあります。

以下は、当社ホームページの「吉祥左馬縁起」というページからの転載です。「左馬」の縁起についてはここに詳しく記されています。

【開運出世・家運隆盛】

左馬は、その勢いすさまじく、よく跳ね風の如く疾駆することから「他より秀でる」といわれ、古来、開運出世、家運隆盛の福馬として珍重されたといわれます。

【千客万来・商売繁盛】

馬は手綱をとられ、人にひかれてくるものですが、左馬は逆書きであるところから、馬が人をひっぱってくるといわれ、多くの客、たくさんの福を引き連れてくる千客万来、商売繁盛の福馬であるという縁起話もあります。

【招運】

江戸時代の話ですが、着物の懐に財布を入れると、左側に入り、出すときは右側から出ることから、「左は入る一方、右は出る一方」福は左から入り、福を呼び入れるともいわれていました。

【就職成就・交通安全】

また、馬は右から乗るとつまづくので、左から乗るとよし、人生につまづかざるようにということから、現代では就職成就、交通安全のお守りでもあります。

【技芸向上・窯の無事故隆盛】

陶芸家の世界では、初窯に左馬を入れた壺や皿を焼き、技芸向上と窯の無事故隆盛を祈る習わしがあります。

【病気平癒】

民俗学の柳田国男の説によれば、山の神は春に山から里に降りて田の神になり、秋にはまた山に帰り、元の山の神に戻るという。里人が田の神をお迎えするときには右馬の絵馬を、山へお見送りするときには左馬の絵馬を神社へ奉納したといわれています。左馬に乗って元へ戻る伝説がやがて、左馬に乗って元の元気に戻り、元気になって我が家へ戻るという縁起に発展し、いまでは入院した人のお守りにもなっています。

また、将棋の駒の産地として有名な山形県天童市では、市内の大抵のお土産屋さんで「左馬」の置き駒や根付け駒などが売られているのですが、その天童市の観光パンフレット「天童と将棋駒」には、以下のように書かれています。

左馬は「馬」の字が逆さに書いてあります。「うま」を逆から読むと「まう」と読めます。「まう」という音は、昔からめでたい席で踊られる「舞い」を思い起こさせるため、「左馬」は福を招く縁起のよい駒とされています。

「馬」の字の下の部分が財布のきんちゃくの形に似ています。きんちゃくは口がよく締まって入れたお金が逃げていかないため、古来から富のシンボルとされています。

馬は人がひいていくものですが、その馬が逆になっているため、普通とは逆に馬が人をひいてくる(=招き入れる)ということから商売繁盛に繋がるとされています。

馬は左側から乗るもので、右側から乗ると落ちてしまいます。そのようなことから、左馬を持つ人は競馬に強いといわれています。 このようなことから、「左馬」は福を招く商売繁盛の守り駒とされています。

今日の記事は半分以上が他所からの引用となってしまいましたが、こういった縁起や由来から、当社では「左馬」の授与品を扱っております。

(田頭)