西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

穿初(うがちぞめ)

穿初

昨年6月20日付の記事「子供の玉串拝礼」では、地鎮祭玉串拝礼をする際に、思わず笑ってしまったり、逆に泣いてしまうお子さんがたまにいます、という事を書かせて頂きましたが、そういった感情が発露されるのは、実は玉串拝礼だけではありません。

次第としては玉串拝礼よりも前に行われる、地鎮祭の中の「穿初」(うがちぞめ)という、建主さんに鍬(くわ)を盛り砂に3回入れて戴く所作に於いても、突然笑ってしまうという方がたまにおられます(さすがに泣く方はいないですが)。鍬を入れる所作は建主さんにのみして戴くのですが、この時、建主さん本人、もしくは鍬を入れるその所作を見ている参列者(建主さんの家族・親族)が、突然「プッ」と吹き出したり、クスクスと笑い出す事がたまにあるのです。

何が可笑しいのかははっきりしており、建主さんには鍬を入れる際に「エイッ!」という掛け声を3回出して貰っているのですが、この「エイッ!」という発声が、人によっては笑いの“ツボ”にハマってしまうのです(笑)。

例えば、6月11日付の記事「初宮参り」では、初宮参りの御祈祷の最中、赤ちゃんがお尻から「プー」とかなり大きな音を発し、その音は御殿内に高らかに響き渡り、祝詞奏上中だったのですが御両親はさすがに「プッ」と吹きかけていました、という事例を紹介させて頂きましたが、これも、通常の場(例えば家の中に於いてとか)であればオナラの音を聞いても全然可笑しくはないはずですが、神社の社殿内で、しかも御祈祷の真っ最中という厳粛な場で、その場の雰囲気とは凡そ似つかわしくない「プー」という音が笑いを誘ってしまったのと同様、「エイッ!」という鍬入れの発声も、発声の仕方によっては地鎮祭の厳粛な雰囲気からはかなり乖離して聞こえてしまう事があり、そのギャップが笑いを誘発してしまうのです。

とはいっても、地鎮祭の度に穿初で笑いが生じる訳ではなく、むしろ笑いは起こらない事の方が圧倒的に多いのですが、今日の地鎮祭では、建主さんが「エイッ!」と3回言いながら鍬を3回盛り砂に入れた所、建主さんの奥さんが笑いの“ツボ”にハマってしまい、「プッ」と吹き出した後、必死に笑いを堪えている様子で、しかも、穿初が終わって鎮物を埋納している時にも、穿初を思い出して2〜3回程「プッ」と吹いていました。そして、その「プッ」を聞いて、建主さんや、建主さん御夫婦のすぐ後ろに参列されていた建主さんの御両親達も「プッ」と吹き掛けており、ちょっとした笑いの連鎖が起こっていました(笑)。

ここまで笑いが長引くのは珍しく、さすがに私も釣られてちょっとだけ可笑しくなりましたが、ここで斎主の私までも「プッ」と吹いてしまっては笑いの連鎖が止まらなくなってしまうので堪えました(笑)。

ところで、穿初(神職から受け取った鍬を、穿つように盛り砂に3回入れる所作)の時になぜ「エイッ!」と掛け声を出すのかというと、それは、「これから家を建てるぞ!」という意気込みを込める意味と、「エイ」という掛け声には「栄える」の「栄」(エイ)という意味も込められているからです。

但し、地域や神社によっては、特に掛け声は発声しないという事もあり、例えば山形県神社庁発行の「一人奉仕の建築諸祭」という冊子には、「穿初の儀で、奉仕者はことさら発声する必要はない」と書かれています。しかし、わざわざこういった記述がされているという事は、現実にはむしろ発声する事例が多いからなのでしょう。

(田頭)

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