西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

今日は地鎮祭と春季霊祭と仮殿遷座祭を奉仕

手稲神社

札幌やその近郊では、先月末頃までには道路や宅地に積もっていた雪はほとんど融け、そのため今月からは、各施工会社でも家の着工が増え、それに比例して、1〜3月期に比べると、当社で受ける地鎮祭の件数も徐々に多くなり、私は今日の午前中、地鎮祭を1件御奉仕させて頂きました。

祝詞の奏上を終えたあたりから急に天気が崩れて雨に見舞われ、狩衣が結構濡れてしまいましたが、しかし「雨降って地固まる」という言葉もあるように、雨が降る事自体は、地鎮祭としては縁起が悪い事ではありません。建主さんにとっても、雨の中ずぶ濡れになって地鎮祭をやった、というのは結構印象に残ると思いますし(笑)。

そして、今日の昼過ぎからは、札幌市手稲区に鎮座するT神社(上の写真参照)へと行き、今日の午後4時から斎行された同社の「春季霊祭」並びに「仮殿遷座祭」で祭員として奉仕(助勤)させて頂きました。

T神社は、今年、御鎮座百十年の慶事を迎えるに当たって、昭和48年に建て替えられてから36年の月日が経つ現在の御社殿(本殿・祝詞殿・幣殿・拝殿)に、屋根銅板葺替、殿内の各種改修、耐震補強等の大規模な改修工事を施す事になり、そのため、御社殿の改修工事に先立って、本殿に鎮まっておられる神様を仮殿(社務所内に設けられた御神座)にお遷しする事になり、本殿の神様を仮殿にお遷り戴く神事「仮殿遷座祭」を、今日、春季霊祭と併せて斎行したのです。

遷座祭というのは、降神・昇神のように霊的な移動だけを行う神事ではなく、神事の最中に「御神体の移動」という物理的な移動も行われるため、一言で言うと「神様のお引越し」とも言える(その準備なども含め)かなり大掛かりな神事です。遷御(御神体の移動)の際には、宮司さんが「御」(「ぎょ」、御神体の事)を奉持し、その時宮司さんの四方は、絹垣(きぬがき)という白くて大きな布で覆い囲まれ、絹垣を持つ4人の所役も宮司さんと一緒に歩くため、移動している最中であっても「御」が人目に触れる事はありません(というよりも、人目に触れるような事があってはなりません)。

下の写真が、そのイメージ写真で(これは今日の仮殿遷座祭で撮った写真ではなく、一昨年斎行された別の神社の本殿遷座祭で撮られた写真です)、「御」を奉持されている宮司さんはこの絹垣の中で歩いています。

遷御

しかし、その地域の鎮守として本殿の奥深くに鎮まっておられる神様が、一時的とはいえ本殿以外の場所に遷るというのは、本殿に大規模な改修工事を施す場合や本殿を移築する場合など、やむを得ない事情が発生する時にしか行われず、そのため、仮殿遷座祭(本殿の工事を始める前に、本殿から仮殿へと神様に遷って戴く神事)と本殿遷座祭(仮殿から、完成した本殿へと神様にお還り戴く神事)はどの神社に於いても、それぞれ数十年に一度程度しか行われません。それだけに、今日の遷座祭に御奉仕させて頂く機会を与えて戴いた事は、私にとって、神職として大変貴重な経験でもあります。ちなみに、私は、本殿遷座祭は別の神社で過去に一度だけ御奉仕させて頂いた事がありますが(平成19年8月25日付の記事参照)、仮殿遷座祭を御奉仕させて頂くのは今日が初めてでした。

T神社で斎行された今日の「春季霊祭」並びに「仮殿遷座祭」では、斎主は宮司さん、副斎主は禰宜さん、祭員一はT神社のY権禰宜、祭員二・三・四の3人は私を含む助勤神職、典儀はT神社のK権禰宜(本務は別の神社の宮司さん)がそれぞれ奉仕させて戴き、式次第は以下の通りでした。『号鼓開式の辞修祓宮司本殿一拝献饌春季例祭祝詞奏上宮司以下祭員玉串拝礼参列者玉串拝礼撤饌宮司本殿一拝宮司本殿祝詞奏上諸員各其の位置に列立神座移動出御入御諸員所定の座に着く宮司仮殿一拝献饌宮司祝詞奏上宮司以下祭員玉串拝礼参列者代表玉串拝礼撤饌宮司仮殿一拝号鼓閉式の辞』。ちなみに、T神社の神職は正服を、私達助勤の神職は斎服を着装して御奉仕させて戴きました。

「春季霊祭」並びに「仮殿遷座祭」は定刻通り午後4時から始まり、遷座祭を経験するのは初めてという方が多かったものの(特に、提灯・社名旗・御盾・御鉾・日像旗・月像旗・四神旗などを奉持して遷御列次に加わった総代さんや役員さん達にとっては、ほぼ全員が初めての経験であったろうと思われます)、滞る事なく5時には無事に終了し、その後は社務所の広間にて直会が開かれ、私達助勤の神職も、改服した後、少しの間参加させて頂きました。

その時たまたま私の前に座られた、T神社神輿会の役員の方(その方は提灯を奉持する所役でした)が、「神社に何十年も関わっていても、本殿の建て替えという時期に巡り合い、こういった行事に参加できる事なんてまず滅多にない。今日は本当に貴重な経験だった。8月の本殿遷座祭では、神輿会の他の連中も連れてきたい」と、とても嬉しそうに話しておられたのが印象に残りました。

なお、今日の神事に先立って、一昨日にはT神社で習礼(今日の神事のリハーサル)が行われ、私はその習礼にも参加させて頂いたのですが、その時は習礼が終わった後、同神社の禰宜さんの案内により、御社殿の周りに組まれている足場に上がらせて頂いて御社殿周りや御社殿の屋根の状態などを見学させて頂きました。下の写真がその際に撮影した、普段は見る事のできない、本殿の屋根の造りがよく分かる貴重な光景です。

T神社 本殿屋根

また、T神社の御社殿の裏手にある神輿殿とその内部(3基の御神輿)も併せて見学させて頂いたのですが、その神輿殿については以下の記事で詳しく書かせて頂きましたので、こちらも御一読下さい。

http://blog.goo.ne.jp/nishino-mikoshi/e/8340dae953a2322316d3d49d74c0057e

T神社では早速明日から工事が始まり、竣工は8月の下旬を予定しており、本殿遷座祭も8月のうちに執り行いたいとの事なので、その時にはどのような御社殿になっているのか、他所の神社の事ながら私も楽しみです。

(田頭)

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