西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

十種祓詞

昨日の記事では、「十種祓詞」(とくさのはらえことば)という祝詞について少し触れさせて頂きましたが、この十種祓詞は、神社本庁が公式な鎮魂として採用している、奈良県天理市に鎮座する石上神宮に伝わっている鎮魂行法を行なう際に必ず奏上される祝詞です。

以下がその全文で、「一二三四五六七八九十」や「澳津鏡 邊津鏡 八握劔 生玉 足玉 死反玉 道反玉 蛇比禮 蜂比禮 品々物比禮の十種を」の箇所は独特の調子で奏上しますが、それ以外の箇所は大祓詞と同様、特に抑揚をつける事無く淡々と奏上します。

高天原に神留り坐す 皇親神漏岐 神漏美の命以ちて皇神等の鑄顕はし給ふ 十種の瑞寶を 饒速日命に授け給ひ 天津御祖神は言誨詔給はく 汝命この瑞寶を以ちて 豊葦原の中國に天降り坐て 御倉棚に鎮め置て 蒼生の病疾の事あらば 茲十種の瑞寶を以ちて 一二三四五六七八九十と唱へつつ 布留部由良由良と布留部 かく為ては死人も生反らむと 言誨給ひし随まに 饒速日命は天磐船に乗りて 河内國の河上の哮峯に天降坐給ひしを 爾後大和國山邊郡布留の高庭なる石上神宮に遷し鎮め斎き奉り 代々其が瑞寶の御教言を蒼生の為に 布留部の神辭と仕奉れり 故この瑞寶とは 澳津鏡 邊津鏡 八握劔 生玉 足玉 死反玉 道反玉 蛇比禮 蜂比禮 品々物比禮の十種を 布留御魂神と尊み敬ひ斎奉ることの由縁を 平けく安けく聞食て 蒼生の上に罹れる災害及諸の病疾をも 布留比除け祓ひ却り給ひ 壽命長く伊加志八桑枝の如く立ち榮しめ常磐に堅磐に守り幸へ給へと恐み恐みも白す

以下の画像は、この十種祓詞を画像として取り込んだもので、御覧のように縦書きの上に振り仮名も付けられています。この画像はクリックすると拡大表示されますので、振り仮名等を確認したい場合は、是非拡大して御覧になって下さい。

十種祓詞

以下がこの祝詞の口語訳(学研『神道行法の本』P78より転載)で、「先代旧事本紀」(せんだいくじほんぎ)に記されている十種神宝(とくさのかんだから)についてのあらましが述べられています。

高天原にいらっしゃる神様達のお言葉によって、皇祖神が鋳造された10種類の素晴らしい宝を、ニギハヤヒノミコトに授けられ、皇祖神が言われるには、「ニギハヤヒノよ、この十種(とくさ)の宝をもち、豊葦原の中国(日本国)に降り立ち、御蔵(みくら)に納め、蒼生(あおひとぐさ)、つまりか弱き国民が病になった時は、この十種の宝を用いて“一(ひと) 二(ふた) 三(み) 四(よ) 五(いつ) 六(むつ) 七(なな) 八(や) 九(ここの) 十(たりや)”と唱えよ。これを唱えるなら、死人も生き返るだろう」。

そのお言葉に従い、ニギハヤヒノミコトは、天磐船(あめのいわふね)に乗って河内国の河上にある哮(いかるが)の峯に降り立ち、その後、大和国の石上(いそのかみ)神宮にこれらの十種神宝を移して納められ、人々のためにこの秘法を「布留部(ふるべ)の神辞(かむごと)」として伝えられた。

この神宝とは、澳津鏡(おきつかがみ) 邊津鏡(へつかがみ) 八握剣(やつかのつるぎ) 生玉(いくたま) 足玉(たるたま) 死反玉(まかるがえしのたま) 道反玉(ちがえしのたま) 蛇比礼(へびのひれ) 蜂比礼(はちのひれ) 品々物比礼(くさぐさのもののひれ)の十種である。これらの十種の神宝を布留御魂神(ふるのみたまのかみ)として、国民に降りかかる災いやいろいろな病を振るい除き、払い捨てて、末永く健やかに長寿を保てますようお守り下さい、と謹んで申す。

つまり、十種神宝とは、「国民に降りかかる災いやいろいろな病を振るい除き、払い捨て」る事が目的の御神宝で、具体的な使い方としては「この十種の宝を用いて“一 二 三 四 五 六 七 八 九 十”と唱え」、その威力は「死人も生き返る」程であるという事です。石上神宮に伝わる鎮魂行法と、皇祖神(天照大御神)から饒速日命(にぎはやひのみこと)に授けられた十種神宝との関係がよく分かる内容の祝詞で、それ故に、鎮魂ではこの祝詞が重視され奏上されるのです。

(田頭)

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