西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

平成二十六年 新嘗祭

日の丸

今日は、祭日(大祭である新嘗祭が行われる日)、祝日(勤労感謝の日)、日曜日(平日に比べ参拝者が多く、社殿での御祈祷や外祭も多くなる日)、大安(当社にとっては特に建築関係の外祭が多くなる日)、戌の日(安産祈願の御祈祷が多い日)などが重なったため、朝から夕方頃まで、結構忙しかったです。

当社の場合はあまり関係ありませんが、神社によっては結婚式が集中する日でもあり(大安吉日の日曜日なので)、また、複数の兼務社を抱えている神社では今日一日だけで新嘗祭が何回も続くという事もあり、それに加え、道外は今の時期、七五三参りのシーズンでもあるので、神社によっては今日は当社以上に多忙を極めた所もかなり多かったと思います。
実際、Facebookなどで同業者の皆さん方の投稿を見ると、今日はどこの神社もほとんどがとても忙しかったようで、日中は御祈祷や結婚式などを奉仕し、夕刻から新嘗祭を斎行するという神社や、今日は本務社の新嘗祭で明日は兼務社新嘗祭、というように新嘗祭を分けて執り行う神社もあったようです。


今日、当社では午前9時から参集殿にて、毎年11月恒例(毎年新嘗祭の日に合わせて開催されます)の総代会の会議が開催されました。
開会に当たって、まず大坊総代長須浪宮司がそれぞれ挨拶をし、それから、石井副総代長兼総務部長の進行により、本年の秋まつりの関連報告や、創祀130年記念事業(当社は来年、創祀130年を迎えます)、どの神社にとっても例祭時期と並んで年間最大の繁忙期となる年末年始の事業計画についての協議などが行われました。

須浪宮司

平成25年11月 総代会


そして、総代会の会議が閉会した後、午前11時からは、社殿にて「新嘗祭」(にいなめさい)の神事が執り行われました。
新嘗祭は、収穫を感謝して神威を蒙る代表的な稲作儀礼(収穫祭)として、弥生時代の稲作儀礼にまで遡る事ができる古式床しい祭典で、古代に於いては重要な国家儀礼のひとつでもあり、現在の神社神道に於いても、「大祭」「中祭」「小祭」の3つの祭祀区分では最も重儀の「大祭」に位置付けられている祭典です。

伊勢の神宮を始めとする全国の神社のみならず、今日は宮中でも新嘗祭が斎行され、宮中の新嘗祭では、天皇陛下御自らが五穀の新嘗(その年収穫された新しい穀物)を宮中奥深く御所にほど近い神嘉殿にお供えして、天照大御神様を始めとする天神地祇に神恩を感謝された後、陛下御自らもお召し上がりになる神事として御親祭遊ばされ、数ある宮中恒例祭祀の中でも最も重要な祭典(大祭)として執り行われます。
ちなみに、年毎の新嘗祭に対して、天皇の即位後、宮中で初めて行われる一世一代の新嘗祭は特に「大嘗祭」(だいじょうさい)と呼び、年毎の新嘗祭とは区別されています。

なお、宮内庁の発表によると、昨年で80歳になられた陛下の年齢に応じた御負担軽減の一環から、本年の新嘗祭から、気温が低下する深夜に始まる「暁(あかつき)の儀」への陛下のお出ましは取り止められる事になり、陛下が暁の儀でされていた拝礼などの一部の所作は掌典長が代行する事となりました。但し、神前での御告文(おつげぶみ)奏上や、新穀を神々と食される直会は、代行する事は出来ず陛下しか行えないそうです。
下の写真は、昨年の11月23日に神嘉殿で撮影された、新嘗祭に臨まれる天皇陛下です。

新嘗祭に臨まれる天皇陛下


今日の西野神社新嘗祭には、昨年同様、当社の松澤権禰宜が親族の方々と一緒に札幌の隣町・当別町にある500坪程の水田で自作したお米が奉納されました。お米は12〜13俵程収穫され、大前にはそのうちの約30kgが奉納されました。
下の写真は、その水田の風景と当社に奉納されたお米です。

平成25年 松澤家の水田

平成25年 松澤家の水田で収穫された稲穂

平成26年 松澤家の水田で収穫された稲穂

平成26年 新嘗祭奉納品

当社での本年最後の「大祭」となる今日の新嘗祭には、招待者の方々(当社氏子区域内各地区の農事組合長さん達や、萬燈保存会神力會敬神婦人会の各代表者)、当社の責任役員の方々、総代長以下総代の方々など、40名近くの方々が参列して下さいました。


下の写真は、新嘗祭で、祓主(はらいぬし)と大麻所役(おおぬさしょやく)を奉仕された松澤権禰宜によって行なわれた修祓(お祓い)の様子です。修祓は、新嘗祭に限らずどの祭典に於いてもまず一番最初に行われ、祭典に参列している人達はその場で起立し低頭してお祓いを受けます。

平成25年11月 新嘗祭

下の写真は、総代幣帛(そうだいへいはく)の伝供(でんく)が行われている様子で、大角に載せられた総代幣帛は、大坊総代長から神職達によって伝供され、本殿外陣に置かれているの上へ献幣されました。

新嘗祭での伝供

下の写真は、宮司による祝詞奏上の後、神社本庁制定祭祀舞のひとつである朝日舞を、僭越ながら私が大前にて奉納させて頂いている様子です。私が当社大前で朝日舞を御奉納するのは、4月の春季例祭と11月の新嘗祭の、年に2回です。

朝日舞奉納

下の動画は、今日の新嘗祭で撮影されたものではありませんが、今から数年前、新嘗祭前日に本番同様正服を着て大前にて朝日舞の練習をした時の様子です。今日の新嘗祭でも、このような感じで舞わせて頂きました。

下の写真は、朝日舞奉納の後、宮司玉串拝礼に合わせて、祭員一同も拝礼(列拝)をしている様子です。この後、参列者の皆様方にも、各々玉串拝礼をして戴きました。

平成24年 新嘗祭

なお、今日の新嘗祭では、神事の都合上そのシーンは撮影出来なかったのですが、本殿御扉の開扉・閉扉の際には、越川権禰宜により、笙(しょう)という和楽器の吹奏が行われました。笙は、奈良時代に唐から伝来したと云われる、17本の長短の竹管を環状に立てた、雅楽に用いる管楽器です。


そして、新嘗祭の後、午前11時45分頃からは、昼食を兼ねた直会(なおらい)が開かれました。直会では、大前よりお下げした新嘗祭専用の御神酒「白酒」(古式ゆかしく醸します濁酒で独特の風味を持つお酒)を、出席して下さった方全員にお飲み戴きました。

平成25年 新嘗祭白酒

私は、今日は新嘗祭での奉仕の他に、地鎮祭の奉仕、安産祈願や初宮参りなどの御祈祷奉仕などがあり、また、夕方近くには授与所窓口に詰めるなどもしたため、生憎直会には出席出来ませんでしたが、直会に出席して下さった皆様方は、御神酒やその他のお酒を飲みながら、大いに懇親を深められていたようでした。

平成24年 新嘗祭(直会)


(田頭)

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