西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

西野神社奥津城で秋季霊祭が執り行われました

今日は、二十四節気のひとつ「秋分」の日です。
年に春・秋2回ある、昼と夜の長さがほぼ等しくなる日を、春の場合は「春分」、秋の場合は「秋分」と呼んでおり、秋分の日である本日を境に、秋の夜長へと向かいます。

秋の夜長

また、春分秋分いずれの場合も、その日を中日とする前後3日を「お彼岸」と呼び、日本では古来よりお彼岸は、祖先を敬い亡くなった人々を偲ぶ期間とされています。
お彼岸とは仏教行事である、と思われている方が多く、実際、仏教が日本に伝来して以降は仏教と深く結びついた行事に変質しましたが(彼岸という言葉も仏教用語です)、平成19年9月20日付の記事でも詳述したように元々は、仏教が日本に伝来する以前からある、祖先を敬い大切にする我が国の伝統的な信仰に由来しており、日本人の祖霊信仰や農耕生活に根付いた、御先祖様をお祀りする祭事が発展し(更に仏教と習合し)て、現在のお彼岸になりました。

秋分の日であり、彼岸の中日でもある今日、宮中では、宮中三殿皇霊殿で歴代の天皇や皇族の御霊をお慰めするために「秋季皇霊祭」が、宮中三殿の神殿では神恩に感謝する「秋季神殿祭」が、それぞれ執り行われました。
この祭典はどちらも、皇室祭祀令では「大祭」とされるとても重要なお祭りで、これに倣って全国各地の神社でも、今日は秋季皇霊祭遥拝式、秋季祖霊祭、祖霊社祭等の名称で、霊祭が執り行われました。


西野神社 奥津城

西野神社奥津城 秋季霊祭

当社では、今日は午前9時半から、神社から車で40分程の距離にある、南区藤野の藤野聖山園内の「西野神社奥津城」(神社が建てた神式のお墓)で、奥津城秋季霊祭を斎行致しました。
今日の西野神社奥津城秋季霊祭には、奥津城に鎮まっておられる御霊(みたま)の御遺族の方々など15人が参列し、どなたも心静かに故人を偲んでおられました。

元々は「秋季皇霊祭」という名だった祭日が、戦後「秋分の日」に改称され、更に平成の御世となってからは、その秋分の日を含む連休がハッピーマンデー制度によりシルバーウィークと称されるようになり、そのためこの祭日は、多くの日本人の中ではゴールデンウイーク同様“大型連休の一部”という程度の認識になってしまい、残念な事に、肝心な日本の歴史や、先祖に感謝する事が忘れ去られつつありますが、せめてこのブログを読んで下さっている皆様方には、今日は「祖先を敬い、亡くなった人々を偲ぶ」日であるという、本来の趣旨を思い出して戴ければ嬉しく思います。


(田頭)

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