西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

手水舎が平時(春夏秋)仕様から冬期仕様に変更されました

当社の境内には、「手水舎」という、参拝者が神様へお参りする前に自身の手を洗い口を濯いで清めるための施設があります。ちなみに、手水舎の読み方は、「てみずしゃ」「てみずや」「ちょうずや」など、地域や神社によって差異があります。

手水舎は、当社に限らずほとんどの神社にあるもので、屋根と柱のみで構成されている、壁のない建物の中に、流水を満たした水盤が置かれ、柄杓(ひしゃく)が備え付けられているというのが最も一般的な形です。以下の写真2枚が、当社のその手水舎(春から秋にかけての平時仕様)です。

手水舎の犬走り

西野神社 手水舎


当社のこの手水舎、春から秋にかけては常時使用可能なのですが、一昨年まで冬期(概ね11月下旬から3月末頃まで)だけは、通水を止めて、下の写真のように使用不可としていました。
当社では手水舎の流水は、水道水ではなく地下水を汲み上げて使っているのですが、その地下水を手水舎へと通している管の通水が、外気が氷点下(目安としてはマイナス4℃以下)となる厳冬期は凍ってしまい、これは地下水に限らず水道水の場合でも同じなのですが、管内の通水が凍結すると管そのものが破損したり、酷い場合だと破裂してしまう事もあるからです。実際、凍結による水道管の破裂事故は、道内では冬期はよく発生しています。

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このため、恐らく関東以西(山間部は除く)にお住まいの方はそういった経験はほとんど無いのではないかと思いますが、北海道をはじめとする北国では、冬期は、屋外に蛇口のある水道の水は落としておく(元栓を閉めた上で、元栓から蛇口に至るまでの管内の通水を完全に抜く)のが通例で、台所・洗面所・風呂・トイレなど建物内で日々使う水道についても、厳冬期に連日家を空ける場合などは、やはり安全のため水を落としておく事が多いのです。

神社の手水舎も同様で、神道は何よりも清浄を尊びますから手水の重要性や必要性は神社としても当然理解・認識はしておりますが、施設の維持や安全管理のため、北海道の神社では、冬期はやむを得ず水を落として手水舎を使用不可としている所が多いのが現状です。
一部の神社では、手水で使用する水が流れる管に電熱線もしくはヒーターを取り付けるなどの凍結対策を施して、冬期でも常に使用可としている所もあるようですが、その場合でも、排水のほうが凍ってしまって結局使えなくなる事もあるため、冬期の屋外で手水を常時使用出来るようにするのは、なかなか悩ましいのが実情です。


以上のような現状を踏まえて、昨年の冬期から、当社の手水舎は初めて、以下の写真のような「冬期仕様」へと改められました。
冬期の屋外での流水使用は前述のように極めて困難なので、通水は諦め、使用出来ない手水の代替として、手水舎の水盤の上に「祓い串」という祓いの具(大麻を小型化したもの)を設置させて頂きました。
これにより、手水は使用出来ないものの、参拝者の皆様方には手水の代わりとして手水舎にて自祓い(自分自身をお祓いして清める)をして戴けるようになりました。祓い串は4本あるので、最大で同時に4人まで自祓いして戴く事が可能です。

西野神社 手水舎(冬期仕様)

西野神社 手水舎(冬期仕様)


この祓い串の使用方法(自祓いの仕方)については、手水舎内にイラストで掲示しておりますので、冬期に当社へお参りに来られる方は御参照下さい。ちなみにこのイラストは、七五三詣碁盤解説看板同様、当社権禰宜越川画伯が描いたものです。

西野神社 手水舎(冬期仕様)


(田頭)

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