西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

平成30年 新嘗祭

戦前や戦中は「新嘗祭」(にいなめさい)という名の祭日で、戦後は「勤労感謝の日」という名の祝日に改められた、11月23日の今日、当社では例年通り午前11時から大祭の「新嘗祭」が執り行われました。
また、これも例年通りですが、新嘗祭に先立って午前9時半からは、参集殿にて総代会の定例会議も開かれました(この会議は、毎年新嘗祭の日に合わせて開催されています)。

ちなみに、新嘗祭とは特に関係ありませんが、今日(旧暦10月16日)は、平安時代中期に3人の天皇後一条天皇後朱雀天皇後冷泉天皇)の外祖父として絶大な権力を誇り、藤原一門の全盛期を築いたあの藤原道長が、「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたる事も 無しと思へば」という有名な歌を詠んでから丁度1000年目の日でもあります。
あの歌は、道長の三女・威子が後一条天皇の皇后となった事を祝する祝宴の席で詠まれたものらしいです。

以下の写真3枚は、新嘗祭当日の今朝撮影した、当社境内の雪景色です。予報によると来週は気温が高くなるそうなので、このまま根雪(春先まで融けない長期積雪)になる事は無いと思いますが、それにしても、昨夜から降り続いた雪により境内は一気に冬景色になりました。

平成30年 西野神社新嘗祭の日の朝

平成30年 西野神社新嘗祭の日の朝

平成30年 西野神社新嘗祭の日の朝


本日の総代会の会議では、開会に当たって先ず大坊総代長須浪宮司がそれぞれ挨拶をし、それから、本年9月に行われた秋まつりの関連報告や、どの神社にとっても例祭時期と並んで年間最大の繁忙期となる年末年始の事業計画(来年1月15日のどんど焼きやその準備等も含む)、現在基礎工事が施工中の儀式殿についてなどの協議・確認などが行われました。

平成30年 西野神社新嘗祭の総代会々議

平成30年 西野神社新嘗祭の総代会々議


そして、総代会の会議が閉会した後、午前11時からは社殿に於いて、平成30年中では当社最後の大祭となる「新嘗祭」の神事が執り行われました(中祭は来月も執り行われますが、当社での大祭は、本年中としてはこれが最後です)。

この「新嘗祭」とは、その年に収穫された新米や新酒などを天地(あめつち)の神様に捧げて、天皇陛下と国民が一体となって神々に五穀豊穣を感謝し神威を蒙る、我が国の代表的な農耕儀礼、国民的な祭典で、宮中や、伊勢の神宮をはじめとする全国各地の神社では、斎行される時間に差異はあれども本日一斉に、新嘗祭が厳粛に斎行されました。
新嘗祭は、古代に於いては重要な国家儀礼のひとつでしたが、現在の神社神道に於いても、前述のように「大祭」「中祭」「小祭」の3つの祭祀区分では最も重儀の「大祭」に位置付けられております。ちなみに、「新嘗」とは、その年に収穫された新しい穀物の事です。
なお、全国的には2月17日に斎行される事が多い大祭の「祈年祭」(但し当社の場合は、毎年4月25日に春季例祭の名で執り行っています)は、その年一年間の豊穣を祈願する祭典であり、その年の収穫を感謝する「新嘗祭」とは、祭典の趣旨としては“対”になっている神事といえます。

ここで、宮中での新嘗祭についても少し説明させて頂きます。
宮中の新嘗祭は、天皇陛下御自らが五穀の新嘗を、宮中奥深く御所にほど近い神嘉殿という殿舎にお供えして、天照大御神様をはじめとする天神地祇に神恩を感謝された後、陛下御自らもお召し上がりになる神事として御親祭遊ばされ、皇族の方々や、総理大臣・衆参両院議長、最高裁判所長官なども参列されます。
宮中での新嘗祭のうち「夕(よい)の儀」が始まるのは、この時期としては辺りがすっかり暗くなる午後6時で、天皇陛下は侍従に松明(たいまつ)で足元を照らされて(明かりはその松明のみ)神嘉殿に入られますが、その夕の儀が終了するのは午後8時で、更に午後11時からは同様の次第で翌24日の午前1時まで「暁(あかつき)の儀」が執り行われ、つまり、これらの神事は各2時間、計4時間にも及びます。
ちなみに、年毎の新嘗祭に対して、新天皇の即位後、宮中で初めて行われる一世一代の新嘗祭は特に「大嘗祭」(だいじょうさい)と呼ばれ、年毎の新嘗祭とは区別されています。天皇陛下の御譲位に伴い、来年はその大嘗祭が執り行われる事となり、そして今上陛下にとって、今回が最後の新嘗祭となりました。

西野神社新嘗祭に話しを戻しますが、今日の当社での新嘗祭には、例年同様、松澤神職(ほぼ一年前の昨年12月に当社を定年退職されて以降は、非常勤の神職として時々助勤して戴いております)が親族の方々と一緒に当別町にある水田で自作し収穫された稲穂・精米や、江別市にある北海道神社庁札幌支部神饌田で収穫された稲穂などが、大前に奉献されました。
ちなみに、支部の神饌田で収穫された稲穂については、毎年、当社を含む札幌支部管内の全神社に奉献されています。

平成30年 西野神社新嘗祭の奉献物

平成30年 西野神社新嘗祭の奉献物


当社で斎行された今日の新嘗祭には、招待者の方々(当社氏子区域内各地区の農事組合長さん達、稲穂奉献者、西野神社崇敬会各会の各代表者)、当社の責任役員の方々、総代長以下総代の方々など、40名近くの方々が参列して下さいました。
以下の写真はいずれも、今日の新嘗祭で撮影された、同祭が斎行されている様子です。宮司による祝詞奏上の後は、例年通り、神社本庁制定祭祀舞のひとつである朝日舞演舞奉納も行われました。

平成30年 西野神社新嘗祭

平成30年4月 西野神社春季例祭

平成30年4月 西野神社春季例祭

平成30年 西野神社新嘗祭

平成30年 西野神社新嘗祭


そして、新嘗祭の後、午前11時45分頃からは参集殿にて、昼食を兼ねた直会(なおらい)が開かれました。
この直会では、下の写真に写っている、滋賀県新嘗祭御神酒謹醸蔵で作られた新嘗祭専用の御神酒「白酒」(古式ゆかしく醸します濁酒で独特の風味を持つお酒)を、大前よりお下げして出席して下さった皆様方にお分かちしました。

平成25年 新嘗祭白酒

直会に出席された皆様方は、御神酒やその他のお酒、ソフトドリンク等を飲みながら、大いに懇親を深められていたようでした。

平成30年 西野神社新嘗祭(直会)

平成30年 西野神社新嘗祭(直会)

平成30年 西野神社新嘗祭(直会)


なお、今日の総代会の会議と、新嘗祭やその直会の様子を写した写真は、「西野神社アルバム」の平成30年11月「総代会々議、新嘗祭直会」のページ(以下のURL)にも多数掲載させて頂きましたので、宜しければこちらも御覧下さい。
http://f.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/301123%20%E6%96%B0%E5%98%97%E7%A5%AD/?sort=old


(田頭)
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