西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

神話で描かれている火災

本日・3月7日は「消防記念日」です。
戦前・戦中に於ける我が国の消防は、あくまでも警察機構の一部という扱いでしたが、昭和23年3月7日に消防組織法が施行された事により、消防は、警察の管轄から市町村消防を原則とする自治体消防へと移行しました。
そして、同法が施行されて2周年を迎えた昭和25年、広く消防関係職員及び住民の方々に「自らの地域を自らの手で火災その他の災害から守る」という事への理解と認識を深めて貰う事を趣旨として、その3月7日が消防記念日として制定されました。

札幌市消防局のはしご車

 

というわけで、今日が消防記念日である事に因んで、今回は「我が国最古の火災」を紹介させて頂きます。
記録に残っている限りに於ける日本最古の火災と云われているのは、古事記の上巻に記されている、木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)様の出産の場面です。

高天原から地上の日向へと降臨された、 天照大御神アマテラスオオミカミ)様の孫に当たられる邇邇芸命ニニギノミコト)様は、笠沙の岬で大変美しい女神・木花之佐久夜毘売様に出逢い、直ぐに求婚し、結婚をされます。
しかし、木花之佐久夜毘売様は一夜で身篭られたため、夫である邇邇芸命様は、自分の子ではなく国津神の子ではないかと疑われました。そこで木花之佐久夜毘売様は、その疑いを晴らすため、「天津神である邇邇芸命様の本当の子であるなら何があっても無事に産めるはず」と誓約をして産屋(出産するための小屋)に入り、自らその産屋に火を放たれました。身の潔白を、火に焼かれるか否かで証明しようとしたのです。
そしてその結果、木花之佐久夜毘売様は炎の中で無事、三柱の御子を出産され、身の潔白が証明されました。

ちなみに、その時お生まれになった三柱の御子の一柱である火遠理命(山幸彦)は、後に、西野神社主祭神である豊玉姫命トヨタマヒメノミコト)様と結婚され、この御夫婦の間にお生まれになった御子の鵜草葺不合命ウガヤフキアエズノミコト)様もまた、西野神社の御祭神としてお祀りされております。詳しくは、下の略系図を御参照下さい。

豊玉姫命と鵜草葺不合命に関する略系図

 

なお、野火・山焼きの古いものとしては、古事記では倭建命、日本書紀では日本武尊の表記で知られるヤマトタケルノミコトが、東征の際に相模(日本書紀では駿河)での野火へ放火した事例が挙げられます。
これは、三種の神器のひとつであった天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)が、草薙剣(クサナギノツルギ)へと名を変える事になったエピソードとしても知られる火災で、記録に残る中では、我が国での初めての消火活動とも云われています。放水して消火するという、今日での一般的な消火方法とは、全く異なる消火活動ではありましたが。

ちなみに、記録が残る中で、世界で最初の大火と云われているのは、旧約聖書の創世記が伝えている、神がソドムとゴモラという二つの町を、天から硫黄と火の雨を降らせて焼き滅ぼしたとされているエピソードです。
この二つの町は、大いに繁栄を極めたものの、住民達が道徳的退廃の罪を重ねたため、神が下した審判により焼き滅ぼされたとされています。

 

文責:西野神社権禰宜 田頭