西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

東日本大震災の発生から丁度8年が経ちました

平成23年3月11日14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震による災害と、それに伴う福島第一原子力発電所事故による災害、即ち「東日本大震災」から、今日で丁度8年が経ちました。
「もう8年」と捉えるか「まだ8年」と捉えるかは、その人のおかれた立場や震災との関わりなどによっても解釈が分かれるでしょうが、兎も角、あれから8年という年月が経った事になります…。

下の写真は、今からほぼ2年前の一昨年3月、私が岩手県宮古市の田老地区で見学してきた、東日本大震災遺構の「たろう観光ホテル」です。

たろう観光ホテル(震災遺構)

 

警察庁東日本大震災の被害について、昨年9月10日の時点で、死者は1万5,896人、重軽傷者は6,157人、警察に届出があった行方不明者は2,536人と発表しており(但し未確認情報や余震によるものも含む)、日本国内で起きた自然災害で死者・行方不明者の合計が1万人を超えたのは、戦後ではこれが初めとなりました。
岩手・宮城・福島の3県を中心に、1都1道10県で死者・行方不明者が、また1都1道18県で負傷者が発生し、戦前・戦中を通しても(但し明治以降)、関東大震災と明治三陸地震に次ぐ、極めて甚大な被害となりました。

ちなみに、この震災による直接的な被害額については、政府は16兆円から25兆円と試算しており、この額は、被害が大きかった岩手・宮城・福島3県の県内総生産の合計に匹敵し、世界銀行の推計では、自然災害による経済損失額としては史上1位としています。

そして、「鎮魂と慰霊の日」でもある今日は、被災地をはじめ全国各地で、また海外の一部でも、東日本大震災の犠牲者を追悼する式典や行事等が執り行われました。
私も今日は、余りにも衝撃的だった8年前の“この日”に思いを致し、自宅の神棚の御前にて、心静かに黙祷を捧げました…。

政府主催の東日本大震災追悼式

 

以下の鉤括弧内緑文字は、震災発生直後に神社本庁が作成した「平成二十三年東北地方太平洋沖地震復興祈願祭祝詞」の例文です。当時、全国の神社では、この祝詞例文を基に作文された復興祈願祝詞、もしくは各神職が一から自作した復興祈願祝詞が大前で奏上され、それぞれの神職が、余震や津波が一刻も早く鎮まる事、そして震災からの速やかなる復興を、心から祈願致しました。

掛けまくも畏き某神社の大前に宮司氏名恐み恐みも白さく 去し三月十一日の未刻に起きし東北地方太平洋沖地震更には大津波の災害を蒙りたるに数多の都道県に大なる損ひを齎したり各々も市町村の有様は家は壊れ海は荒れ土は裂け山は崩れ許許多久の人々瞬間に玉の緒を絶たれる事と成りぬ 又神社神職等も多数に災害を被れる由知らせを受けたるは実に畏き極み成り 故今し大前に御食御酒種種の味物を献奉り常に大神等の高き尊き大神徳を仰奉る氏子崇敬者等大前に参集ひて復興祈願祭を仕奉り乞祈奉る状を平らけく安らけく聞食し給ひて日々起れる余震津波を鎮め給ひて一日も速けく旧の状に立帰らしめ給ひて我が大和国を永久に守り恵み幸へ給ひ災害に苦しむ諸人等の身も心も平穏に守り導き給へと恐み恐みも白す

当社に於ける震災関係の公式な祭事としては、震災発生翌月に斎行された大祭「春季例祭」が、その年だけは「東日本大震災復興祈願祭」も兼ねて執り行われ、私達神職や参列者一同で、震災で亡くなられた方々の御霊(みたま)が安らかであるようにという事と、被災地の一刻も早い復興を、心より御祈念させて頂きました。

東日本大震災復興祈願絵馬(大)

 

ところで、ウィキペディアのパロディサイトとして知られる「アンサイクロペディア」の、「3月11日」についての解説ページ内に於ける「東日本大震災」の項には、以下のように記されています。これは、「アンサイクロペディアで一番まともな記事」として、最近ネットでも評判になっていますので、ここでも紹介させて頂きます。

2011年の3月11日には宮城県沖を震源とする東日本大震災が発生した。それを受けて翌年以降3月11日は震災を考える日として黙祷をささげ決意を新たにする日だという人たちもいる。ただ誰かにとって祈るべき日は誰かにとっての誕生日であり結婚記念日であったりもするのだ。だからこそ今日はあくまで普通の日である。震災関連ではないイベントを開くことや、地震のことを考えないでいることを不謹慎と批判するのはおかしい。3月11日は前を向いて生きていく366日のうちの一日であり、普段と同じように、楽しむことは楽しみ頑張るべきことは頑張る日なのだ。

アンサイクロペディアは、現実世界での出来事をからかった風刺的な記事が多く、徹底的にユーモアを追求しているため、なかには全然笑えないレベルの過激なブラックジョークや、ただのウソ(完全なフィクション)になっている事も少なくありませんが、この「東日本大震災」の項については、私も同意出来ます。

確かに今日・3月11日は、東日本大震災の忌日であり、つまり「鎮魂と慰霊の日」ではありますが、同時に、震災とは関係無く、この日が誕生日や結婚記念日、その他のお祝いの日であるという人達も、当然全国には沢山おられます。
もっとも、それは何もこの日に限った事ではなく、日本中の人達が心静かに祈りを捧げる他の日、例えば熊本地震の日、阪神・淡路大震災の日、終戦記念日長崎原爆の日広島原爆の日沖縄戦終結の日、東京大空襲の日、関東大震災の日などでも同様です。

これについては今までこのブログでも何度も述べてきましたが、何でもかんでも自粛するのは決して良い事ではありません。「鎮魂と慰霊の日」は、特別な日であると同時に、普段通りに過す平常の日でもある事も、心に留めておきましょう。

 

文責:西野神社権禰宜 田頭