西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

花野さんとの縁結びは難しい

先日、ぶんか社から今月発売されたばかりの「花野さんとの縁結びは難しい」という新刊コミックの第1巻を買って読みました。
埼玉県出身の漫画家・野広実由さんが描いている、「埼玉県あたり」とされる架空の神社「永河神社」を主要な舞台とした、4コママンガです。

「花野さんとの縁結びは難しい」第1巻
「花野さんとの縁結びは難しい」第1巻

 

同神社の巫女であり若く見えるけど実は30歳の「花野さん」と、同神社の権宮司(ごんぐうじ)であり同じく30歳の「正信」の、恋愛経験ゼロで色恋にはかなり鈍そうな2人の関係を中心に描かれる、ほんわかとした雰囲気の “ほのぼのラブコメディ” といった感じの作品です。
ちなみに、「権宮司」というのは、「宮司」に次ぐ、その神社のナンバー2の職階です。宮司が、一般の会社でいう社長に相当するものだとすると、権宮司は、副社長に相当するものと言えます。
但し、権宮司という職階が置かれるのはあくまでも一部の「別表神社」(正式名は「別表に掲げる神社」)だけであり、大抵の神社では、禰宜(ねぎ)もしくは権禰宜(ごんねぎ)の職に在る者が、その神社のナンバー2となっています。

そういった事も含め、この「花野さんとの縁結びは難しい」では、神道や神社についての様々な基礎知識や、全国の神社が本宗と仰ぐ伊勢の神宮についてのエピソード、神職や巫女の神社での知られざる仕事ぶりなども描かれており、事前に神社で丁寧に取材した事が窺える、神職からみても好感が持てる作品です。
気になった方は、是非お読み下さい。個人的にはオススメの作品です!

 

 

 

なお、作中で「花野さん」は、「20歳の頃、神宮で巫女の研修を受けたのだよ。1泊2日で講義を受け作法を学び、その時 正式な御垣内参拝もさせてもらって」と言っておりますが、その研修は、恐らく以下の研修の事だと思います。この研修は、神道青年全国協議会の事業として、伊勢の神宮不定期に開講されています。

 

ちなみに、現実には、この作品に登場する「正信」のように30歳で紫色の袴を穿いている神職(つまり、30歳になったばかりなのに、神職身分が二級という神職)は、まずほとんどいません。しかし、別表神社宮司権宮司については、その職に在る者の身分は「二級」以上とする規定があるため(つまり「三級」の神職が、別表神社宮司もしくは権宮司を拝命すると、当人の年齢や経歴に関係無く「二級」に昇級するのです)、ごく稀に、まだ30代なのに紫の袴を穿いているという神職はおり、実際、私も過去にそういった方をお見かけした事はあります。
ですから、「正信」がまだ30歳になったばかりなのに紫の袴を穿いているというのは、相当珍しい事例ではありますが、決して「有り得ない」とか「荒唐無稽」というわけではありません。

 

文責:西野神社権禰宜 田頭