西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

今日は水子供養の霊祭が執り行われました

神道に於ける「水子供養」については平成25年3月3日付の記事で詳述しましたが、今日は当社の祖霊殿で、その水子供養霊祭が執り行われました。下の写真は、本日霊祭が斎行される直前に撮影された、斎場となった祖霊殿です。

西野神社 水子供養祭

 

日本産科婦人科学会では、妊娠22週未満で妊娠が終わる事を「流産」、22週以降で妊娠が終わる事を「死産」としており(但し法令上は、妊娠12週以降に亡くなった胎児の出産を死産としており、手続き上も、妊娠12週以降の死産では死産届が必要となります)、同学会によると、現在の日本では妊娠の15%前後が流産するといわれており、死産は毎年2万件を超えているとされています。
また、厚生労働省の実態調査では、妊娠を経験した女性のうち約4割が流産した事があるという調査結果もあります。
つまり、流産や死産は何ら特別な事ではなく、実際には非常に多くの妊婦さんや御夫婦が、赤ちゃんを亡くすという深い悲しみを経験しているのです。

しかし流産・死産については、世間一般で表立って語られる機会がとても少ないために情報がほとんど共有されておらず、その悲嘆をケアする取り組みもあまり浸透はしていないため、流産や死産を経験した女性は、自分自身に問題があったわけではないと理屈の上では分っていても、感情の上では強い自責の念に責められたり、その深い悲しみを周囲の誰にも相談出来ずに苦しんだり、仮に相談出来たとしても、理解や共感をして貰えず更に落ち込んでしまったり、場合によっては、その相談相手から「もう忘れなさい」「いつまでも引きずっていないで早く次の子供を産みなさい」「泣いていたら亡くなった子供も浮かばれないよ」などと言われて余計に傷付くなどし、悲嘆からいつまでも立ち直れないというケースが少なくありません。

当社では、亡くなった赤ちゃんの御霊(みたま)が安らかである事を祈念すると同時に、水子供養という “ひとつの区切りとなる宗教行為” を神社神道の信仰に則った形で厳粛に執り行う事により、そういった深い悲しみに微力ながらも寄り添い、悲嘆からの立ち直りへの一助となるためにも、御要望に応じてこういった霊祭を執り行っております。
実際には、当社で水子供養の霊祭を行う機会は年に一回有るか無いかなので、頻度としてはかなり珍しい神事なのですが(そもそも水子供養については、「供養」という仏教用語からも、先ずは神社よりもお寺さんに相談・依頼されるという方のほうが多いと思います)、お問い合わせや御要望がある限りは、不定期ながら今後もこういった霊祭は斎行させて頂きます。
但し、前出(冒頭で紹介)の記事の中でも述べたように、その方の家の宗旨によっては残念ながらお断りせざるを得ない事もありますので御了承下さい(原則として、家の宗旨が仏教の方は、水子供養についてはお寺さんに御相談下さい)。

今日の霊祭で斎主を務めたのは私ではありませんでしたが、祖霊殿でその霊祭が斎行されている間、社務により境内の別の場所にいた私も、水子の御霊の安らかなる事を、祖霊殿に向かってそっと祈念させて頂きました…。

 

文責:西野神社権禰宜 田頭