西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

疫病鎮静と罹患者平癒を祈願して、神道行法の「鎮魂」を行ないました

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るうようになってから、神職に限らず全国の宗教者が、いや、恐らくは全世界の宗教者が、毎日、同感染症が一刻も早く鎮静化する事を祈願しています。
当社でも、朝拝などでの日々の鎮静祈願とは別に、先月25日付の記事で詳述したように先月は神社の祭典として「新型コロナウイルス感染症流行鎮静祈願祭」を斎行しておりますが、今日は、そういった神社の公式な行事としてではなく神職一個人として、社務を終えた後の午後5時から1時間程、新型コロナウイルス感染症の鎮静及び同感染症罹患者の平癒を祈願して神道行法の「鎮魂」を大前にて執り行いました。

西野神社での鎮魂行法

 

同じ神道行法でも禊(みそぎ)については、例えば「北方領土返還祈願」や「東日本大震災復興祈願」などの願意を立てて行う事もありますが(当社でも平成30年9月に、北海道胆振東部地震で亡くなられた方々の御霊安鎮と同地震により被害を受けた被災地の復興の祈りを込めて、禊を行った事があります)、それに対して鎮魂は、宮中や神社で公式行事として斎行される鎮魂の儀や鎮魂祭は別ですがそれら以外は、原則として自身のための修法として執り行うもので、特定の願掛けをして行う事は、あるのかもしれませんが私自身はまだ聞いた事がありません。
しかし、これはあくまでも私の個人的な主観ですが、神社本庁が公式の鎮魂法として採用している石上(物部流)鎮魂法には「身体に宿っている魂を振起させ、生命力を旺盛にする」「身体に宿っている魂に、外部の威力ある力の強い魂を身体に振りつけ生命力を強化する」といった目的・意義も含まれているので、現在新型コロナウイルス感染症に罹患し治療を受けておられる方の平癒を祈願するための手段・神事として、鎮魂行法は丁度合っているのではないかと思います。

また、石上鎮魂法の「鎮魂行事次第」には、十種祓詞(とくさのはらえことば)や神拝詞などいくつかの祝詞の奏上も含まれているのですが、十種祓詞の口語訳(平成23年5月6日付の記事に転載してあります)を一読して戴ければお分かりのように、十種祓詞は、疫病の蔓延で混沌とした今の御時世にぴったりの内容の祝詞でもあります。

 

以上のような事情や私の考え等を踏まえて、今日は、口を濯ぎ手を洗い清めてから心静かに幣殿に昇殿し、今まで行なってきた鎮魂以上に厳粛な思いで、疫病鎮静と罹患者平癒を祈念して鎮魂を修しました。以下の写真2枚は、いずれも本日行ったその鎮魂の様子です。
ちなみに、神拝詞については、前述の鎮魂行事次第に掲載されている文言の一部を、疫病鎮静祈願に合う形になるよう少し改変した上で奏上致しました。

西野神社での鎮魂行法
西野神社での鎮魂行法

 

以下の写真2枚は、いずれも今日の鎮魂の様子ではありませんが、過去に当社で行なわれた鎮魂の様子です。1枚目の写真は平成23年5月に当社の参集殿で、2枚目の写真は平成24年4月に当社の拝殿でそれぞれ行なわれた鎮魂で、当社では過去にもこういった形で鎮魂を行なっております。

鎮魂行事(西野神社参集殿)
鎮魂行法 (西野神社拝殿)

 

神社は古来から、疫病や自然災害など各種の災厄と共生しながら、その災厄を祓い、鎮静祈願をし、人々の気持ちに寄り添ってきました。そういった信仰や古儀慣例を踏襲し、疫病が収束に向かい人々が元の生活に立ち返る事が出来るよう大前で祈り続ける事が、私達神職の使命であると思います。
残念ながら、新型コロナウイルス感染症は依然として蔓延中であり、収束の見通しは未だ立っておりませんが、日々の祈りや、疫病鎮静祈願祭、鎮魂などの神道行法、その他の神事・手段を通して、宮司以下当社神職達は今後も日々神様に只管「祈り」を捧げてまいります。

 

文責:西野神社権禰宜 田頭