社務所(しゃむしょ)
西野神社境内の主要な施設・建物等のうち、昨年12月15日付の記事では「社殿」(本殿・幣殿・拝殿など)について、昨年6月7日付の記事では「儀式殿」について、昨年6月4日付の記事では「神輿殿」について、平成23年8月1日付の記事では「参集殿」について、平成28年6月10日付の記事では「授与所」について、また、解体されており現存しませんが平成30年10月10日付の記事では現在儀式殿が建っている所にあった「神楽殿」について、常設の施設ではありませんが昨年12月29日付の記事では年始にのみ開設される臨時の「みくじ所」について、 それぞれ詳しく紹介致しましたが、今回の記事では、当社の「社務所」という建物とその機能について、紹介させて頂きます。
神社に於ける社務所(しゃむしょ)とは、一般の会社でいうところの事務所、寺院でいうところの庫裡や寺務所などに当る建物で、社務所という名の通り、神社の社務全般を執っている場所です。当社の神職達も、平時はここに詰めております。
歴史的には、近世まで神社の社務は神職の役宅や私邸などで行なわれるのが普通でしたが、明治期に社家が廃止されて神社が国家の管理を受けるようになった事に伴い、神社としての公的な社務を行なう場所と神職個人の私生活を営む場所を明確に区別する必要が生じ、社務所という建物が設置されるようになりました。
戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が日本政府に対して発した所謂「神道指令」によって神社は国家の管理を離れますが、やはり社務は専用の建物で執るほうがいろいろと都合が良かったため、その後も、神社の規模を問わず多くの神社は社務所を設置しています。但し、神職が常駐していない神社では、現在でも社務所は設置していない所が多いです。
なお、職舎(宮司もしくはその他の常駐神職の住居)と社務所が、隣接していたり、連絡通路で繋がっていたり、同一建物内にあるという事例は、民社では現在でもよく見受けられます。
ちなみに、社務所の名称は、全国的に社務所でほぼ統一されていますが、特殊な例外として、大規模な神社の中のごく一部には、三重県伊勢市に鎮座する神宮の「神宮司庁」(じんぐうしちょう)、名古屋市熱田区に鎮座する熱田神宮の「熱田神宮宮庁」(あつたじんぐう きゅうちょう)、大分県宇佐市に鎮座する宇佐神宮の「宇佐神宮庁」(うさじんぐうちょう)、奈良県橿原市に鎮座する橿原神宮の「橿原神宮庁」(かしはらじんぐうちょう)などのように、「社務所」ではなく「〇〇庁」と名乗っている所もあります。
以下の写真は、いずれも当社の社務所の外観です。
御祈祷を受けられる方や、御朱印を拝受する方、その他神社もしくは神職に御用や問い合わせ等のある方は、こちらの玄関からお入り下さい(但し玄関の空いている時間は、原則として09:00~16:30です)。
以下の写真は、社務所玄関内や、玄関にある窓口などです。当社の場合、御朱印の別紙はここでお渡ししております。
以下の写真は、社務所玄関内にある受付場所です。御祈祷を受けられる方はここで受付をして戴いた後、神職の案内により社殿、儀式殿、参集殿のいずれかに昇殿して戴きます。
以下の写真はいずれも、社務所内にある「社務室」で撮られたものです。
室内には机が並べられており、日中はここに神職達が常駐して、神事に関する事(祝詞作文、授与品の奉製、紙垂折り、その他)や、各種の事務(PCを使った入力作業、書類の作成など)、電話の対応、その他の雑務などを行なっております。
ちなみに、社務室内には当社関係者以外の立ち入りは御遠慮戴いておりますが、社務所窓口のガラス窓や社務室出入口のガラス戸などを通して、社務所玄関からは社務室内のほぼ全景が窺えます。
以下の写真は、社務所の建物内にある「御祈祷控室」の内部です。
当社で御祈祷を受けられる方は、御祈祷の受付を終えてから御祈祷が始まるまでの間、この部屋でお待ち戴いております。
ちなみに、当社の場合、社務所と授与所はそれぞれ独立した建物で、それぞれの場所も離れていますが(但し、両建物の間に位置する拝殿・幣殿・渡り廊下などを介して一応繋がってはいます)、社務所と授与所は分離する事なく完全に一体化もしくは融合している、という事例も、民社に於いては全国的に広く見られます。
当社の場合でいえば、社務所は、授与所とではなく参集殿のほうと一体化しており、参集殿(その奥に位置する祖霊殿も含む)は一棟の独立した社殿という形態ではなく、社務所の建物の一部に組み込まれている形となっており、そのため参集殿に昇殿する際は必ず社務所の玄関から先ず社務所内に入る必要があります。