西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

西野神社神職の主な業務を紹介します【後編】

今回の記事「後編」は、前回の記事である「前編」の続きです。先ず前回の記事をお読みの上で、こちらを読んで戴ければ幸いです。
前回の記事の冒頭でも述べました通り、これらの記事で紹介の内容は、あくまでも「西野神社の職員に限っての仕事内容」です。全国の神職の一般的・平均的な業務内容というわけではありませんので、その点 御理解・御承知下さい。
全体的な傾向としては、「前編」よりも今回の「後編」で紹介している内容のほうが、より西野神社に特化した業務(つまり、他の神社の神職は行っていないかもしれない業務)が多いかな、という気がします。

ところで、この度の前編・後編の記事2本にアップした写真の中では、割合としては宮司以外の神職(私も含め権禰宜達)のほうがかなり多く写っており、当社の宮司は(数枚程度は写っていますが)あまり写っていません。
そのため、もしかすると「西野神社宮司って普段何してるんだろ。もしかして暇なのかな?もしくは、仕事の多くは部下達に任せ、実質もう引退している感じなのかな?」などと誤解される方もいらっしゃるかもしれませんので一応ここで補足しておきますが、当社は平成6年頃に初めての職員(平成29年に定年退職しており、現在は助勤神職として当社が忙しい日にお手伝い戴いております)を採用するまで、常駐の神職は一人(現在の宮司)しかいなかった神社であり、そのため、この度の2本の記事(記事内の①~㉕)で取り上げた業務は、元々は全て、宮司が一人でずっと行っていました。
実際、私や、私の先輩でもあった前出の「初めての職員」は、これら業務の具体的な内容等はほぼ全て宮司から聞いたり教わったりし、宮司は現在も、私達職員が行う業務のほぼ全てを監督・管理しています。ちなみに、私が今から十数年前にこのブログ「西野神社 社務日誌」を開設したのも、宮司からの指示に因ります。

今回の2本の記事内では紹介しておりませんが、春から秋にかけての境内の木々・花々芝生等へのホースを使っての水遣りなどは、現在も宮司がほぼ一人で行っていますし、また冬期に必須の除雪作業に関しても、確かに職員総出で行いますが実際には、私達 “通勤” の職員達よりも、境内社務所に併設されている職舎)で生活している宮司が最も長い時間、日々の除雪に励んでおります(ちなみに、境内に宮司夫妻が毎日常駐しているため、当社では大晦日の夜を除いて職員が宿直する事はありません)。
そもそも、原則として出社と退社の時刻が決まっていて公休日も定められている私達 “通勤” の職員達と違って、公私関係なくほぼずっと境内にいる当社宮司にとって、仕事とプライベートの時間的な境界はどうしても曖昧にならざるを得なくなり、神社としての社務取り扱いの時間(09:00~17:00)は定められていますが現実にはその時間外、つまりライベートな時間であるはずの早朝や夜間、公休日などにも、神職として、宮司としての、的確な対応が求められる事が少なくはありません。

また、これは寺院の住職さん達もそうなのだと思いますが、神社の宮司はその地域の名士でもあるので、一民社の宮司であっても、非常勤の公職もしくはそれに準じたり類する役に就く事が多く、具体的には、民生委員、保護司、町会長の会長、小中学校のPTA会長、地元自治体の消防団の役員・団員、JC(青年会議所)の役員、その他公的団体の会長・顧問などのいずれかを兼任している事も多く、当社の宮司の場合は、かつては教誨師を務め、現在は地元で老人ホームなどを運営している社会福祉法人の理事などを務めています。
つまり、必ずしもそうとは限らないのですが一般的な傾向として、宮司になると、一社を司る宮司としての重責を担い忙しくなると同時に、本業(神職)以外の立場でも忙しくなるのです。

職員を何十人も抱えている大規模なお宮の宮司さんも、当然、大社ならではの苦労があっていろいろ大変なのだろうとは思いますが、以上のような事を踏まえ、当社のような中小神社の宮司も、普段外からはっきりとは見えない様々な苦労を負っているのだな、という事にちょっとでも思いを巡らせて戴くと、その宮司の部下である私達も少し嬉しく思います。

というわけで、今回は前置きが随分と長くなってしまいましたが、以下に、その宮司の部下である私達(西野神社権禰宜達)の日々の業務内容の一部を、写真と共に紹介致します。



⑬ 境内の清掃

神社の境内を清掃するという行為は、単に境内を物理的に綺麗にするだけでなく、神様のおられる神域の清浄を維持するという宗教的行為でもあり(神道の神様は何よりも穢れを嫌い、清浄を尊び好まれます)、また、自らの心の掃除や精神の安定にも繋がると言われており、それ故、神職にとって「掃除は基本中の基本」と言われています。
ですから、いくら祭式作法や祝詞作文など神職としての “技術” が上手で優れていても、掃除を全くしない、した事が無い、などという神職はそもそも神職とはいえません(現実にはそんな神職はどこにもいないと思いますが)。勿論、私達西野神社神職も、境内の清掃は毎日行なっています。
ちなみに、以下の写真の6枚目(最後の写真)は、氷雪が融けた後の第一駐車場の石畳を高圧洗浄機で洗浄している様子(根雪の下でこびり付いていたり蓄積していた泥を、高水圧で吹き飛ばして綺麗にしているところ)です。

 

境内の清掃
境内の清掃
平成29年3月 西野神社境内での作業
境内の清掃
駐車場での落ち葉集め
駐車場での高圧洗浄



⑭ 境内各所・神社前歩道等の除雪

これは大量の雪が降る地域の神社限定での業務となりますが、特に積雪量が多い北海道に於いては、「除雪」は冬期に於ける神職の主要な業務となります。春・夏・秋については、境内(屋外)に於ける主要な業務は清掃ですが、冬は、除雪のほうが主要な業務となります。
以下の写真はいずれも、当社にとっては冬の日常的な光景で、1枚目はホイールローダ(当社では主に除雪車として使用)を使っての除雪、2枚目はロータリー除雪機(氷雪を砕いて飛ばす機械)を使っての除雪、3枚目は社殿の屋根の雪下ろし、4・5枚目は授与所前の地面に埋設されている大型融雪機を使っての排雪、6枚目はホイールローダと融雪機を同時併用しての除雪(ホイールローダで融雪機に雪を投入)、7枚目(最後の写真)は鳥居前の歩道の除雪の様子です。

 

ホイールローダを使っての除雪
http://nishinojinja.or.jp/photo/wi/27jpg.htm
拝殿屋根の除雪作業
融雪機を使っての除雪
融雪機を使っての除雪
ホイールローダーで融雪機に雪を投入
歩道の除雪



⑮ 春先の境内氷割り

主に3月中旬から4月上旬にかけての時期は、境内の積雪の大半が融ける事に伴い、まだ一部に厚い氷の層が残っている場所(参道社務所玄関前など)で、氷割りの道具を使って地表の氷を砕く作業を行います。この作業を行う事で、境内の氷雪が早く無くなります。

 

春先の境内氷割り
西野神社 境内での氷割り
春先の境内氷割り
西野神社 境内での氷割り



⑯ 冬期用滑り止めマットの敷設・撤去

12月から翌年3月にかけての積雪期は、ツルツルになった氷雪で参拝者が滑って転ぶのを防ぐため、拝殿向拝授与所前鳥居下階段第二駐車場連絡通路階段の各所に、滑り止め防止用ゴムマットを敷設します。この敷設及び撤去も、神職が行ないます。

 

冬期用滑り止めマットの敷設・撤去
冬期用滑り止めマットの敷設・撤去
平成29年3月 西野神社境内での作業
平成29年3月 西野神社境内での作業
冬期用滑り止めマットの敷設・撤去



⑰ 奉納提灯への風雪対策ビニール掛け

当社では毎年2回(秋まつり三が日)、参道の両脇に沢山の奉納提灯(ほうのうちょうちん)を献灯致します。これらの提灯を掲げるための櫓(鉄パイプ)を組立てたり、その櫓に提灯を吊す作業は、総代さん達が中心となって行ないますが、三が日の献灯については、総代さん達が作業を終えて帰った後、神職が全ての奉納提灯に風雪除けのビニールシートを掛けています。
脚立に登っての、やや高所での作業となるため(しかも雪が降る中で行なう事もあるため)、勿論安全には十分配慮しながら行ないます。

 

奉納提灯への風雪対策ビニール掛け
奉納提灯への風雪対策ビニール掛け
奉納提灯への風雪対策ビニール掛け



⑱ 焼却炉でのお焚き上げ

当社にお焚き上げ物(焼納品)として納められた各種物品のうち燃える材質のものについては、お祓いをした後、平時(どんど焼き以外の時期)は原則として全て境内の焼却炉で、忌火(浄火)にてお焚き上げ致します。
ちなみに、神社によって異なりますが当社の場合、お焚き上げ物は、社務所もしくは授与所にて、そこに詰めている神職や巫女などが、直接手で受け取ってお預かりしております。境内に勝手に置いていくのは絶対にお止め下さい。

 

焼却炉でのお焚き上げ
焼却炉でのお焚き上げ
焼却炉での灰取り作業



⑲ 倉庫等の整理整頓・搬入

境内の何カ所かに分散している倉庫や物置などに、大型の資材・道具・備品等を搬入したり、それらを整理整頓する作業なども、神職が行います。境内に立てる特定の行事専用の大型看板も、その行事が行われる期間以外は倉庫に仕舞っております。

 

倉庫等の整理整頓
倉庫等の整理整頓
倉庫等の整理整頓



⑳ 薪割り

当社では、毎年元日の0時から明け方頃までの数時間、境内参道の両脇で篝火(かがりび)を焚くのですが、その際に篝火の燃料として使う薪(まき)を確保するため、既に横方向に切断されて輪切り状態にはなっているもののまだ縦方向には切られていない幹などを、専用の機械(車輪が付いていて移動も可能な薪割り機)を使って縦に割って薪にしています。

 

薪割り機を使っての薪割り
薪割り機を使っての薪割り
薪割り機
積み上げられた薪



㉑ 石材の切断、石碑の補修

専門的な作業工程が必要となる場合は勿論石屋さんにお願いしますが、小さな石材の単純な切断や、石碑の簡単な補修などは、神職が行ないます。
以下の写真のうち、1枚目は、神社の備品である工具で石材を切断しているところ、2・3枚目は、創祀百周年記念塔に刻まれている文字の補修(専用の補修ペンでスミ入れ)をしているところです。

 

石材の切断
記念塔に刻まれている文字の補修作業
記念塔に刻まれている文字の補修作業



㉒ 社有車のタイヤ交換

外祭(出張祭典)を奉仕するためその現場へ向かう神職が使用する社有車(必要に応じて、祭壇・祭器具・装束等の一式を積みます)の、年に二度のタイヤ交換(夏タイヤから冬タイヤへの交換と、冬タイヤから夏タイヤへの交換)は、その社有車を普段運転している神職境内の駐車場などで行ないます。

 

社有車のタイヤ交換
社有車のタイヤ交換



㉓ 担ぎ手として他社例祭の神輿渡御に供奉

西野神社神職達は、札幌の市内・近郊に鎮座する各神社の例祭での神輿渡御(みこしとぎょ)に、神職(祭員)としてではなく御神輿の担ぎ手のひとりとしても、奉仕に行きます。
これは、西野神社の神輿会「神力會」と、各地の神輿会との交流・友好関係に基づく、相互奉仕(助け合い)の一環でもあり、私達西野神社神職神力會の半纏を着て実際に他社の御神輿を担ぎます。
ちなみに、この「担ぎ手として他社例祭の神輿渡御に供奉」という業務は、全国的にみると、神職の業務としてはかなり珍しく(なかには、御神輿を担いで練り歩いたりするなんて、そんなのは神主の仕事ではない、と明言する神職もいます)、そのため、これは西野神社ならではの独特の業務といえます。
もっとも、珍しいのは確かですが、他社の神職さん達のなかにも私達と同じように、半纏を着て御神輿を担いでいる方々はおられますし、当社例祭での神輿渡御にも、やはり他社の神職さん達が担ぎ手としても奉仕に来て下さるので、別に西野神社神職だけの限定業務というわけではありません。

 

御神輿の担ぎ手としての助勤
御神輿の担ぎ手としての助勤
御神輿の担ぎ手としての助勤
御神輿の担ぎ手としての助勤



総合学習等で訪れる小学生達への説明・案内

西野神社氏子区域内にある複数の小学校の児童達が、総合学習や、生活科の校外学習等の一環(自分達の街を探検しよう、自分達が住む街の良さに気付こう、校区にはどのような施設があって働いている人はどのような願いをもっているのか知ろう、などのテーマ)から、当社を見学に来てくれる事があります。
今まで授業の一環で当社に訪問してくれた児童は、2年生~6年生までで、訪問規模も、4~5人の程度の小グループから1クラス(三十数人)までと多岐に渡り、その際に当社の神職は小学生達から様々なインタビューや質問を受けてきました。

 

西野神社見学(小学3年生)
小学2年生訪問
小学生訪問
西野小3年生 西野神社見学
小学生達が西野神社を訪れました
小学2年生9人が西野神社を見学に訪れました(平成29年8月)



㉕ 広報活動(テレビ・ラジオ番組への出演)

当社では、テレビ番組やラジオ番組などからの依頼に応じて、各番組にも積極的に協力・出演しております。テレビ番組内の編集・テロップ等についての監修まではしていませんが。
ちなみに、過去には、当社の境内が海外ドラマのロケ地として使われた事もあります。

 

平成28年9月22日放送「世界!ニッポン行きたい人応援団スペシャル」
BSアサヒ「ハラホリ」最終回(西野神社)
UHB「みんなのテレビ」 西野神社関係
イチオシ!モーニング 「遥輝26オン!」
令和2年12月25日放送 STVテレビ「どさんこワイド179」より
HTB「イチオシ!!」令和3年8月2日放送 (西野神社授与所前)
平成29年3月7日放送 NHK「ほっとニュース北海道」より
平成31年4月30日放送 HTBニュースより
HBC「今日ドキッ!」 平成29年2月14日放送(西野神社)
平成30年10月26放送 UHB「発見!タカトシランド」より
平成30年6月28日 STVラジオ「まるごと!エンタメ~ション」収録風景
平成20年12月 STVラジオ「ときめきワイド」中継




※ この度の「前編」「後編」の2本の記事本文中(記事内①~㉕)では特に触れませんでしたが、他にも、当社では以下に挙げた【1】~【10】のような業務があります。
特に【1】や【2】などは、西野神社神職にとっては確実に主要な業務のひとつですが、あまりにも当たり前(いつもの日常)過ぎて、あえて記事本文では取り上げなかったものです。

 

【1】 社務所玄関窓口での参拝者への対応 (御祈祷の受付、諸々のお問い合わせに対しての回答、境内の案内などをします。前回の記事で社務のひとつとして紹介した「⑧ 紙朱印への押印・日付墨書等」も、大まかに分類するとこの業務に含まれます)
【2】 社務所での電話番 (神社へのお問い合わせ、御祈祷・外祭の御予約、授与品の製造・販売会社等の取引先や同業他社からの連絡など、様々な電話をお受けします)
【3】 授与所窓口での参拝者への対応 (授与所には原則として巫女が常勤していますが、巫女不在時には神職が詰めて対応します)
【4】 記録のため各行事での写真撮影 (この度の記事2本でもそれらの写真を多数使いました)
【5】 境内の木々の冬囲い (当社の場合、造園屋・植木屋・庭師など専門職の人には頼まず神職が行いますが、境内全域の木々を対象に行うため一日では終わらず、この作業には数日かかります)
【6】 奏楽の練習 (神職全員が行なうわけではありませんが、祭典で伶人として奉仕する機会のある神職、当社の場合であれば大祭・中祭などで笙という和楽器を吹奏する担当者は、当然その練習をします)
【7】 祭祀舞の練習神職全員が行なうわけではありませんが、祭典で舞人として奉仕する機会のある神職、当社の場合であれば春季例祭新嘗祭で大前にて朝日舞を舞う担当者は、当然その練習をします。ちなみに、渡島・檜山・後志など松前神楽が盛んな道内一部地域の神職にとっては、その松前神楽の練習も必須となります)
【8】 北海道神社庁北海道神社庁札幌支部などに提出する各種書類の作成 (原則として宮司が作成しますが、宮司からの指示により私達職員が作成する事も有ります)
【9】 他社の祭事に祭員として助勤 (他社からの依頼に応じて、その神社で斎行される大祭や中祭、その他の神事などで奉仕致します)
【10】 北海道神道青年協議会北海道神社庁札幌支部青年神職文月会など神社関連の他団体の行事・会務への参加 (職員のうち当該団体の会員が、宮司からの許可を得た上で参加します)



文責:西野神社権禰宜 田頭