西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

「茅の輪」を拝殿向拝に設置しました

当社では、この半年間(1~6月までの今年上半期)に個々人が知らず知らずのうちに犯した様々な罪・穢れを祓い清め、併せて、残り半年間(7~12月までの今年下半期)の無病息災を祈願する「夏越の大祓」という神事を、例年通り6月30日に執り行います。
なお、昨年と一昨年は、新型コロナウイルス感染症の世界的・全国的な著しい拡大傾向を受けて、感染症対策徹底のため残念ながら一般の方々の御参列は御遠慮戴き、当社神職のみで斎行という形を採らせて頂きましたが、本年につきましては、依然として再拡大の懸念はあるものの現状では概ね同感染症が鎮静化しつつある事から、皆様方にも御参列戴ける、本来の形での斎行となります。
当日(大祓式の斎行は6月30日午後3時から)御都合の宜しい方は、ソーシャル・ディスタンスを保った上で、是非御参列下さい。

 

 
 
 
 
 
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年間の恒例式として当社で執り行う「大祓」は、6月末日に行うこの「夏越の大祓」と、12月末日に行う「師走の大祓」がありますが、これら2回のうち夏越の大祓では、上の投稿(インスタグラムでの北海道神社庁札幌支部公式アカウントからの発信)でも解説されている通り、実際に人がくぐる事の出来る「茅の輪」(ちのわ)という大きな輪が用いられます。

茅の輪は、神社によっては、総代さん達が作ったり、氏子青年会の会員さん達が作ったり、神輿会の会員さん達が作ったり、氏子の鳶職の方々が作ったりなどしているそうですが、当社の場合は毎年私達職員(神職)が、境内や氏子区域内にある山裾などで茅(かや)を刈り取り、その茅で大きな輪を作成し、それを拝殿向拝に設置しています。

 



以下の写真2枚は、茅の輪を作成するに当って、茅の輪表面の大半を占める事になる茅を、当社の神職が境内や神社近くの山裾などで刈り取っている様子です。茅の輪に適していると思われる、特に形の良さそうな立派な茅を選びながら、鎌で素早く次々と刈り取っていきました。

平成28年 夏越大祓 茅の輪作成作業
平成28年 夏越大祓 茅の輪作成作業

 

以下の写真3枚は、儀式殿の地下で茅を束ねながら茅の輪を作成している様子(直径約185cmのドーナツ型の輪の芯棒に大量の茅を覆って縛りました)と、完成したその茅の輪を拝殿向拝に取り付けている様子です。

令和4年 西野神社 夏越大祓「茅の輪」作成作業
令和4年 西野神社 夏越大祓「茅の輪」作成作業
令和3年 西野神社 夏越大祓「茅の輪」設置作業

 

以下の写真2枚は、本日のお昼頃に拝殿向拝での取り付け作業を終えた、どなたでもくぐる事が出来る状態となった茅の輪です。
人がくぐる事の出来る大きさの茅の輪を設置する場合、大抵の神社では参道などに設置していますが、当社の場合は、慣例によりここが茅の輪の定位置となっています。

令和4年 西野神社 夏越大祓「茅の輪」
令和4年 西野神社 夏越大祓「茅の輪」

 

茅の輪は、今月末日までここに設置しており(7月1日の朝に撤去します)、設置期間中はどなたでも自由にくぐって戴く事が出来ますので、「茅輪くぐり」御希望の方は、今日から今月30日までの間、各自お参り下さいますようお願い致します。
なお、茅の輪の由来(蘇民将来伝説)については、平成19年6月27日付の記事を御参照下さい。

 

 

茅の輪の直ぐ横には、例年通り、茅の輪のくぐり方を説明した看板も立てています。もし可能であるなら、この看板に記されているとなえ言葉(和歌)を唱えながら茅の輪をくぐって下さい。

令和2年6月 西野神社 夏越大祓(看板)

具体的には、「水無月の 夏越の祓ひ する人は 千歳の命 延ぶといふなり」という和歌(出典は、平安時代勅撰和歌集拾遺和歌集」)を唱えて茅輪を正面からくぐって左へ廻り、再び正面に至り、次に「思ふ事 みなつきねとて 麻の葉を きりにきりても 祓ひつるかな」という和歌(出典は、室町時代一条兼良により記された有職故実書「公事根源」)を唱えて輪をくぐって右へ廻り、再々度正面に至り、最後に「蘇民将来 蘇民将来」と唱えて輪をくぐり左へ廻ります。

 

文責:西野神社権禰宜 田頭