西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

懸魚(げぎょ)

現在、当社では参集殿増築工事を行っておりますが、昨日は、その工事と並行して神楽殿(かぐらでん)と神輿殿(みこしでん)にそれぞれ懸魚(げぎょ)を取り付ける作業が行われました。

懸魚というのは、神社や寺院などの屋根の下に吊り下げられる飾り(木彫)の事で、火に弱い木造建築では火を忌むため水や魚を模した装飾を施す事が多く、それを屋根に懸けて火伏のまじないとした事から「懸魚」と呼ばれるようになったと云われています。懸魚は中国の古建築でも多くの実例があり、日本では、最も古い時期のものとしては飛鳥時代に建立された法隆寺金堂で見る事ができます。

神楽殿の懸魚

▲ 神楽殿の屋根に取り付けられた懸魚です。 神楽殿は昭和52年に竣工しているため、さすがに、昨日取り付けたばかりの懸魚と、築30年以上経っている破風(切妻や入母屋などにできる妻側の三角形部分の造形)とでは木材の色が異なっていますが、来年の今頃は、この懸魚も周囲に馴染んだ色に変化しているのではないかと思います。

神輿殿の懸魚(取り付け前)

▲ こちらは神輿殿の懸魚です。 比較対照のため、神輿殿に取り付けられる前に、縦30cm・横15cmの差し金を横に置いて撮影してみました。

神輿殿への懸魚取り付け作業

▲ 神輿殿で懸魚を取り付けている様子です。 右の人物は大工さんですが、左の人物は当社の宮司で、宮司自ら懸魚の取り付け作業を行ないました。

神輿殿の懸魚(取り付け後)

▲ 神輿殿に取り付けられた懸魚です。 この神輿殿は平成20年2月に竣工したばかりの社殿で、破風の木材もまだ経年変色していないため、色調が“やや浮いている”感じの神楽殿の懸魚とは違い、完全に周囲に馴染んでいます。

懸魚は、普段から頻繁に見ている社殿や堂宇であっても、意識していないと意外と見落としている事が多いので(屋根の構造によっては側面に廻り込まないと見えない事もあります)、皆さんも、今度神社やお寺にお参りに行った際は、その神社やお寺の懸魚を探してみてはどうでしょうか。よく見てみると、懸魚はそれぞれが個性豊かで面白いですよ!

なお、懸魚を取り付けた後の神輿殿全景の写真は以下の記事に貼付させて頂きました。御参照下さい。
http://blog.goo.ne.jp/nishino-mikoshi/e/485d01c721c819ccbd6b1366f0b14202

(田頭)

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