当社の氏子区域内にあるアパートではないのですが、先日、市内の某アパートの大家さんから、「ウチのアパートの一室で人が亡くなったので、新しい入居者が入る前にその部屋のお祓いをしてもらいたい」とお祓いの依頼がきました。今日の午前中、私はそのアパートにお祓いに行ってきました。
私は神主になってからはまだ一年しか経っていませんが、こういったお祓い(人が亡くなった現場のお祓い)は、この一年間で4〜5回ほど行かせていただきました。皆に看取られて大往生を遂げた、という幸せな亡くなり方をした場合、そういった場所に神主がわざわざお祓いに行くようなことはまずなく、神社にお祓いに来て下さいと依頼が来る現場というのは、誰にも看取られることなく孤独に亡くなり、数日もしくは数週間経ってから発見された、というケースがほとんどで、今回もそうでした。
お坊さんのように連日お葬式に臨んでいるという訳ではないものの、宗教者である以上、私たち神主も人の生死と無縁であるはずはなく、というよりも、人の死にはむしろ一般の人たち以上に必然的に関わることが多く、そのため人の命というものについてはよく考えさせられますが、孤独な高齢者の死の現場や自然死とは言い難い死の現場に臨むと、命というものについて、また宗教者として何かできることはないのか等、いつもよりも更に深く考えさせられます。
(田頭)