西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

地鎮祭の助勤

大抵、仏滅には外祭は1件も入りませんが、逆に大安はまとめて外祭が入ることが多く、特に春・夏の、大安と土日が重なった日には、当社の職員だけでは回りきれない程集中して外祭が入ることもあります。時間的に朝から夕方まで万遍なく散っているのであれば、件数的には当社の職員だけで回れないこともないのですが、地鎮祭の場合はだいたい9時〜11時頃、上棟祭の場合はだいたい13時〜15時頃と概ね祭典の斎行される時間が決まっており、そのためその時間帯にはどうしても何件も重なってしまい、当社の職員だけでは回りきれなくなってしまうのです。そういった場合、当社では他所の神社に助勤(お手伝いしてもらいこと)を頼んでおり、助勤していただく方には西野神社として、その外祭に行ってもらっています。

ところで、当社では外祭に関しては助勤を「頼む」ことの方が圧倒的に多いのですが、ごくたまに、他所の神社から外祭の助勤を逆に「頼まれる」こともあります。今日私が行ってきた地鎮祭がそれで、他所の神社の助勤として、地鎮祭を斎行してきました。

地鎮祭の助勤は今までも何回かは行ったことがありますが、今日の地鎮祭の助勤は、今まで私が受けたことのない神社からの助勤だったので、まずその神社の方から簡単な説明を聞いてから現場に向かったのですが、やはり当社の地鎮祭とは異なる部分が少なくなかったです。そもそも、神社の御殿で行われる祭典とは違い、外祭に関しては全国の統一基準などなく、そのため各神社によって外祭の中身はかなり異なっているのです。

今日私が行ってきた地鎮祭でも、神饌の内容や、その神饌を載せる三方の数、使用する玉串、四方祓いのときに用いる祓いの具、鎮物を祭壇に置いておく場所など、当社の地鎮祭とは異なっている所が多く、また祭典の次第についても、「地鎮の儀」のなかで行う「鎮物埋納の儀」がなかったりと、やはりいつもとは異なる部分が多かったです。しかし、前述のように外祭に関しては統一の基準がないため、どれが正解でどれが間違い、というのはありません。強いていえば、全部が正解といえるのでしょう。そういった意味では、いろいろな神社の助勤を経験することは、とても良い勉強になります。

しかし、例えば北海道と九州で行われている地鎮祭の内容が異なっている、というのであれば、地域性の差ということで理解もできますが、同じ札幌市内で行われいる地鎮祭でもこれだけ異なっているというのは、ちょっと驚きですね。施工業者さんに、「地鎮祭は神社さんによってやり方が結構違うんですね」と言われたことがありましたが、自分が助勤に行くことで、「ああ、あのとき言っていたのはこういうことだったんだな」と実感します。

(田頭)