西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

お札のお祀りの仕方

三社造りの箱宮

神様の御加護を戴くため、家庭(もしくは会社など)に新しく神棚を設置したものの、その神棚に何の神様(おふだ)をお祀りすればよいかのわからなくて神社に相談に来られる、という方がたまにいらっしゃいます。その場合、当社を含め神社本庁包括下の神社では、①神宮大麻(じんぐうたいま)、②氏神様のお札、③崇敬神社のお札、の三種のお札を神棚にお祀りするように説明しております。

大抵の神棚は、三社造り(お札を納める扉が3つあるお社)、もしくは一社造り(お札を納める扉が1つのみのお社)のどちらかで、三社造りの場合は、一座目(中央)に①「神宮大麻」を、二座目(向かって右)に②「氏神様のお札」を、三座目(向かって左の扉)に③「崇敬神社のお札」をお納めします。一社造りの場合は、手前から、①神宮大麻、②氏神様のお札、③崇敬神社、の順に重ねてお祀りします。

①の神宮大麻(じんぐうたいま)とは、伊勢の神宮のお札です。神宮大麻は、伊勢の神宮のお札だからといって、伊勢の神宮一社でしか扱っていない、というわけではなく、原則として本庁包括下の神社であれば全国どこの神社でも授与しており、大抵は、最寄の神社に行けば受けることができます。

ちなみに、世間一般に通用している「伊勢神宮」という呼称は実は俗称で、伊勢の神宮の正式な名称は、漢字二文字でただ「神宮」といいます。その「神宮」は、「内宮」と称される「皇大神宮」と、「外宮」と称される「豊受大神宮」の2つの本宮を中心に、14所の別宮と109社の摂社、末社、所管社など、合わせて125のお社から成り立っているのですが、それらのお社のなかでも最大の信仰の中心となっているのは、皇室の祖神であり日本人全員の総氏神様である天照大御神(あまてらすおおみかみ)様をお祀りしている「皇大神宮」です。

神宮大麻とは、前述のように伊勢の神宮のお札なのですが、より正確にいうと、神宮全体のお札ではなく、その「皇大神宮」のお札であり、お札にも「伊勢神宮」とではなく「天照皇大神宮」と記されています。伊勢の神宮は、神社神道最大の聖地かつ信仰の中心地であり、神社本庁の「本宗」ともされており、全国の神社のなかでも特に尊いお宮とされているのですが、皇大神宮は、125社から成るその伊勢の神宮の中でも特に尊いお宮とされているため、一般の家庭においても、神棚には必ず「神宮大麻」をお祀りするよう、本庁包括下の各神社では指導しているのです。

②の氏神様のお札とは、その神棚をお祀りする方が住んでおられる場所を氏子区域とする神社のお札のことです。例えば、札幌市西区の西野、平和、福井の各地区に住んでおられる方にとっての氏神様は当社の神様なので、西野、平和、福井に住んでおられる方は、「西野神社」と記された当社のお札を氏神様としてお祀りすることになります。

③の崇敬神社のお札とは、その神棚をお祀りする方が特に信仰、崇敬している神社のお札のことです。例えば(以下はあくまでも例えです)、東京の方であれば明治神宮、名古屋の方であれば熱田神宮、長野の方であれば諏訪大社などのお札を、あるいは、商売繁盛を願う方であれば特に商売繁盛に御利益があると云われているお稲荷さんや恵比寿さん、大黒さんなどをお祀りしている神社のお札を、また、戦没者の御遺族であれば靖國神社護國神社などのお札をお祀りすることが多いようです。特にこれといった崇敬神社がない場合、北海道の方であれば、北海道神宮のお札をお祀りする方が多いようです。

当社では(通常は社務所で、年末年始は授与所において)、①神宮大麻、②西野神社の神札、③北海道神宮の神札、の三種のお札を授与しておりますので、当社の氏子区域内にお住まいの方であれば、当社に来るだけで三種のお札を全て揃えることができます。もちろん、その場合でも、可能であれば、伊勢の神宮北海道神宮に直接お参りした方が良いことはいうまでもありません。

(田頭)