西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

祭式勉強会

昨日は午後5時半から、北区に鎮座するS似神社に於いて、青年神職文月会の八月例会として「祭式勉強会」が開かれました。昨日の祭式勉強会は、祭式の基本所作の確認や装束(衣冠)着装の練習といった内容ではなく、特に「遷座祭」という神事に絞って、遷座祭においての祭式や作法の確認等を行なうという主旨で開催されました。

必ず毎年一回行なわれる例祭とは異なり、遷座祭というのは、新たに神社を創建したり、本殿を建て替えたり、神様の御分祀を受けた時などにしか行なわれない極めて稀な神事であるため、大抵はどの神社でも数十年に一度しか斎行されず、そのため神職にとっても遷座祭で御奉仕させて頂く経験というのは、普通、一生のうちにそう何度もある訳ではないのですが、北海道神社庁札幌支部管内の神社では、一昨年はS霊神社で、昨年はS似神社でそれぞれ遷座祭が執り行われ、また、今月はS村神社とS馬神社の2社で遷座祭が執り行われる事になっているなど、ここ数年間遷座祭が続いており(いずれも本殿の建て替えに伴う遷座祭です)、そのため支部管内の若手の神職達も遷座祭で助勤奉仕をさせて頂く機会が増えてきています。

昨日の勉強会では、そういった支部管内の状況を鑑みて、祭式勉強会の主題としてはあまり一般的とは言い難い「遷座祭」をあえて採り上げる事にしたのです。

ところで、神社を会場にして行われる勉強会や研修会では大抵、講義に先立ってまずはその神社で正式参拝を行うのが通例となっているのですが、昨日の勉強会は“祭式勉強会”という性格上、出席者全員が白衣・白袴を着装しての受講となるため、“正式参拝”という形よりもむしろ初任神職研修や中堅神職研修などの時のように“夕拝”という形で神拝行事を行った方が良いのでは、という事になり、講義の前にまず全員が幣殿に昇殿し、そこで夕拝行事が執り行われました。

それはいいのですが、S似神社に着くなり、いきなり「田頭君、夕拝の斎主お願いね」と言われたのは正直参りました(笑)。夕拝行事では、斎主、祓主、大麻所役の3人が大前で奉仕し、あとの人達は整列して参列するという形になり、斎主は大祓詞、神社拝詞、明治天皇御製を先導して唱和します。それは難しい所役では全然ないのですが(斎主の所役は養成機関在学中にも何度も経験していますし)、ただ、参列者全員が同業者という中での奉仕は、間違いなく緊張します。一つでも所作を間違えると、例えそれが些細なミスであったとしても全員が「あ、今間違えた」と気付きますから(笑)。

祭式勉強会
しかし、緊張しながらも何とか無事に斎主の所役を奉仕させて頂き、その後はすぐに拝殿で、遷座祭についての講義が行なわれました(写真参照)。講師は、東区に鎮座するS訪神社のK宮司さんが務めて下さり、K宮司さんは、昨年S似神社で行なわれた本殿遷座祭の要綱や、各種資料を用いながら、自らの経験談やユーモアを交えつつ、私達14人の受講者に対して凡そ1時間半に亘って大変分かりやすく講義をして下さいました。

私は今まで、遷座祭で祭員として奉仕させて頂いた経験は一度もないのですが、今月の25日、豊平区に鎮座するS馬神社に於いて、初めて遷座祭の助勤奉仕をさせて頂く事になっており、そのため昨日の勉強会は、私にとって非常に興味深く、特に得る事の多い勉強会となりました。

拝殿での講義が終わった後は全員参集殿に移動し、そこで、昨年執り行われたS似神社本殿遷座祭の様子を収録したDVDを皆で鑑賞しながら、直会も兼ねて、S似神社さんで用意して下さった美味しい御馳走を頂きました。私は午後11時頃に帰らせて頂きましたが、出席者の半分以上はその後も参集殿に残っていたので、皆さん、かなり遅くまで盛り上がっていたようです(笑)。

(田頭)

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