西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

この二日間を振り返って

新年御祈祷

昨日より、平成20年・皇紀2668年・西暦2008年の新たな年が始まりました。本年は、今上陛下が即位されてから丁度20年目という節目の年であり、また、神宮式年遷宮までは後丁度5年という区切りの年でもあり、そして、ここ北海道に於いては洞爺湖サミット(主要国首脳会議)が開催される記念すべき年でもあります。

その新年の元日である昨日(1日)と今日(2日)の二日間は、改めて言うまでもなく、私達神社関係者にとっては年間で最も忙しい日々です。怒涛の如く過ぎ去ったその二日間を、以下にダイジェストで振り返ってみます。


≪1月1日≫

【00:00】 0時の時報とともに、宮司拝殿内の太鼓を打ち鳴らし、それと同時に、それまで拝殿の向拝まで列を作って並んで待っていた初詣参拝者の方々が一斉に賽銭箱にお賽銭を投げ入れたり鈴緒を鳴らし始め、平成20年がスタートしました。私達神社関係者にとっては、最も長い「一日」の始まりです。

新年の幕開けを告げる太鼓が打ち終わるとすぐに新年の御祈祷も始まり、参拝者控室で待機していた人達(この時間に御祈祷を受けに来られるのは毎年御馴染みの方々です)には拝殿に移動して戴き、早速新年の御祈祷を受けて頂きました(この時間帯の御祈祷は宮司が行い、私は社務所にて御祈祷の受付等をしていました)。この時間の御祈祷は1時間程で一段落し、後は歳旦祭が終わる午前10時頃まで御祈祷はありませんでした。

【01:30】 拝殿の向拝から鳥居前の階段下までずっと続いていた初詣参拝者の長い行列も、この頃になると一段落し、行列の終端は社殿近くの手水舎位にまでなりました。

【01:40】 職舎(宮司夫妻の私邸)にて、助勤の巫女さん達と一緒に夜食(天ぷらそば)を御馳走になりました。

【02:00】 授与所隣のみくじ所(仮設テント)に詰めました。ここには11種類ものおみくじの箱を一同に並べ、また、絵馬もここで扱わせて頂きました。ちなみに、ここに詰めた人の主な仕事は、おみくじを引こうとする人の両替に応じる事と、おみくじの解説を求められた場合その解説をする事です。

【03:30】 この時間からみくじ所は助勤の男性(直前まで仮眠を取って貰っていました)に任せ、私は5時半まで2時間程休憩しました。近くのコンビニに飲み物を買いに行った後、車中で1時間弱程度仮眠しましたが、当然の如く全く熟睡できませんでした(笑)。

【05:30】 再びみくじ所に詰めました。元日のみ、みくじ所のすぐ近く(授与所の一画)に御神酒所が設けられるのですが、そこでは総代さん達が日本酒や甘酒などを振舞って下さるので、私は時々みくじ所を抜け出してそこで甘酒を頂き体を温めました(笑)。

【06:00】 社務所に戻ってブログを更新したり、新年の御祈祷の祝詞を書き直したり、境内の見回りをしたりしました。

【07:00】 当社境内より初日の出を仰ぎました。神職になってからは、元日は毎年忙しくてバタバタしているので「初日の出を見よう」と思い付く事すらありませんでしたが、今朝は、たまたま当社に助勤に来て下さった男性から「今、初日の出が見えるよ」と教えて戴き、みくじ所の前から初日の出を仰ぐ事ができました。ちなみに、今日、日本で一番早く初日の出が見られたのは南鳥島(午前5時27分)だそうです。

なお、当社総代Dさんのブログ「五天山界隈」の1月1日の記事(下記URL)に、当社の鳥居越しに初日の出が上がっている綺麗な写真が掲載されておりますので、是非御覧下さい。

http://blue.ap.teacup.com/applet/gotenzan/20080101/archive

【07:10】 再び祝詞を書いたり、歳旦祭の準備などをしました。

【08:00】 職舎にて、当社宮司の奥さんや、奥さんのお母さんが作って下さったおせち料理やお雑煮を頂きました。とても美味しかったです!

【08:20】 歳旦祭神饌を準備したり、装束(斎服)を着装しました。

【08:30】 歳旦祭で神楽を奉納する巫女さん2人と、歳旦祭での玉串奉奠の際に楽を奏して下さる伶人3人が神社に集合しました。

【09:00】 宮司、松澤権禰宜、私(田頭)の3人奉仕により歳旦祭(元日に執り行われる、今年一年間の無事平穏や豊作をお祈りする祭典)を斎行致しました。祭典の次第は前夜の除夜祭とほぼ同じで、除夜祭と異なる点は、総代幣帛の献幣がない事と、巫女による神楽の奉納がある事です。除夜祭も歳旦祭も「中祭」であるため、装束も、除夜祭の時と同じ斎服を着装しました。なお、「西野神社アルバム」の平成20年1月「歳旦祭」のページ(下記URL)に、この日の歳旦祭の様子を写した写真を多数アップさせて頂きましたので、是非御覧下さい。

http://nishinojinja.or.jp/photo/200101b.htm

ちなみに、歳旦祭には現職の道議会議員や市議会議員、前市議会議員の先生方も参列して下さいました。

【09:40】 歳旦祭終了。参列者が退下した後、胡床を並べ直したり床に落ちた玉串の葉や塵を拾い集めるなど拝殿内を整え、社務所玄関では、午前10時からの新年御祈祷の受付も始めました。

【10:00】 新年御祈祷開始。授与所には松澤権禰宜と助勤の巫女さん達が詰め、社務所には宮司と私が詰めて交替で御祈祷を行いました。但し昼過ぎ頃までは、御祈祷はずっと宮司が行い、私は、御祈祷の受付、社務所玄関での参拝者の応対などを担当させて頂きました。御祈祷の大半は「家内安全」「厄除」「八方除」「星厄消除」でしたが、たまに「開運招福」「商売繁盛」「合格祈願」といった御祈祷もありました。

【11:45】 社務室にて昼食のお弁当を頂きました。お弁当を頂いた後は、再び私が御祈祷の受付を担当しました。

【13:30】 師走の大祓式参列者及び人形(ひとがた)を納められた方に発送する授与品(大祓のおふだ等)の封筒に貼るラベルを作成する作業(発送先の住所・氏名等をPCで入力する作業)を、御祈祷の受付の合間に行いました。4日までには、入力したデータを全てラベルにプリントアウトして封筒に貼り、発送させて頂きます。

【14:45】 この時間からは、私が斎主として新年御祈祷の御奉仕をさせて頂きました(冒頭に貼付の写真参照)。御祈祷は「家内安全」「厄祓」「八方除」「星厄消除」がほとんでしたが、たまに「初宮詣」や「病気平癒」などの御祈祷もありました。

【16:15】 この時間になって御祈祷が途切れたので、狩衣を脱いで雑用をこなしたり、記録のため境内各所の写真撮影を行うなどしました。

【16:45】 再び新年御祈祷。引き続き斎主は私が奉仕させて頂き、御祈祷の受付担当は宮司の奥さんがして下さいました。なお、本人のプライバシーに関する事なので具体的に誰が何の御祈祷を受けたかという事を書くのは差し控えますが、この時間帯には当社氏子区域内にお住まいの某有名人(プロ野球選手)も、奥さんと二人で当社に御祈祷を受けに来られました。

【17:00】 助勤の巫女さん達の早番と遅番が交代しました。ほとんどの巫女さんは今日の午前9時からの奉仕でしたが、中には、昨夜(午後10時)からずっと通しで奉仕して下さった巫女さんもいました。お疲れ様でした!

【17:45】 御祈祷が一段落し、私は社務所にて再びPCで入力する作業等を行いました。授与所に詰めている方(松澤権禰宜や巫女さん達)がほとんど途切れる事なくずっと参拝者の応対をし、また、みくじ所に詰めている方(助勤の男性2人)が寒い中ずっと外(テント)で奉仕されている事を考えると、暖かい社務室の中で一人黙々とPCに向かって作業している私としては何だか少し申し訳ない気もするのですが、このPCでの作業は三賀日以内には終わらせなければいけません。

【18:30】 大前の神饌を下げて、それらの神饌を片付けてから、神饌所を整理しました。また、御祈祷の授与品を作成・調整等しました。

【20:30】 境内見回り、雑用等を行いました。

【21:15】 授与所とみくじ所を閉めました。授与所窓口の外に出していた授与品や、みくじ所に並べていたおみくじの箱などは全て授与所内にしまい、授与所の窓口を施錠しました。

【22:00】 退社。前夜はほとんど寝ていなかったため、家に帰る途中睡魔に襲われ、さすがに「これは危ない!」と感じたので、小林峠を降りた直後一旦路肩に車を停めました。

【22:45】 帰宅。二日ぶりに家に帰ってきました。

【23:15】 夕食を食べてから、私宛てに届いていた年賀状などを確認しました。

【23:50】 就寝。


≪1月2日≫

【05:15】 起床。

【05:40】 メールを確認したり、PCでニュースをチェックするなどしました。

【06:10】 昨日私宛てに届いた年賀状の中で、私がまだ年賀状を出していなかった人に年賀状を書きました。

【07:00】 朝食を食べました。

【07:30】 自宅を出発。昨日ほどではないですが、今日も「長い一日」になります。

【08:00】 西野神社に出社する前に、所用(受け取って来るものがあったのです)により、まず中央区に鎮座するH神宮の社務所に立ち寄りました。ちなみに、昨年も1月2日にはH神宮に、一昨年の1月2日には北区に鎮座するS皇大神社に、やはり所用により行かせて頂きました。

【08:10】 H神宮での用事を済ませ、当社に向かいました。

【08:20】 西野神社に出社。昨夜は久々に雪が降ったので、境内の除雪作業を行い、また、今日の諸準備を行いました。

【09:00】 授与所を開けました。

【09:10】 新年の御祈祷開始。私はお昼までずっと斎主として、御祈祷の御奉仕をさせて頂きました。2時間半程、狩衣を脱ぐ間もなくずっと御祈祷が続きました。

【11:40】 お参り(奉仕)から帰ってきた宮司と斎主を交替し、私は外の除雪を行いました。

【12:00】 社務室にて昼食のお弁当を頂きました。

【12:20】 御祈祷の授与品の調整等を行いました。

【13:00】 除雪をしたり、雑用をこなしたりしました。また、手水の懐紙(手拭紙)が残り少なくなってきたため、これも半紙を切って折るなどして急遽準備しました。

【14:15】 師走の大祓式の授与品の調整を行いました。ちなみに、師走の大祓式の授与品は明後日発送させて頂きます。

【15:00】 当社氏子区域内にお住まいの方で、身体が不自由なため当社に参拝に行けない方に、おふだ(神宮大麻西野神社御神札など)を届けに伺いました。

【17:00】 昨年までの3年間、毎年年末年始に巫女として当社で奉仕して下さった女性(現在は公務員)が当社に初詣に来て下さり、当社の社務所にも挨拶に来て下さいました。現役の高校生だった昨年とは随分と雰囲気が変わっていて(まだ未成年のはずですがかなり大人びた様子でした)、少し驚きました。

【17:30】 この時間からは、授与所とみくじ所を閉めるまで約2時間半、みくじ所に詰めました。眠気と戦いつつ、テントの中に詰めておりました。

【20:00】 授与所とみくじ所を閉めました。ちなみに、みくじ所は明日で撤去し、みくじ所の撤去後は、各おみくじの箱は授与所の前のテーブルに並べます。

【20:05】 退社。

【20:40】 帰宅。

【21:00】 自宅で夕食を食べました。

【22:00】 自宅のPCにて青年神職文月会のHP(トップページだけですが)を更新しました。


こうして振り返ってみると、私はこの2日間ほとんど社務所もしくは社殿内にいて、御祈祷(斎主として奉仕)をしたり、御祈祷の受付をしたりしながら、その合間にPCで作業をしつつ、たまにみくじ所に詰めたりしていました。授与所には、年末は時々詰めておりましたが、年始はほとんど詰めておりません。

一方、私とは逆に松澤権禰宜は、昨日(1日)の朝から晩までと今日(2日)の朝から昼過ぎまでほとんどずっと授与所に詰め、授与所にて、授与品を求めに来られた参拝者への応対や授与、授与品の補充、授与所に詰めている助勤の巫女さん達への指示等をし、そして今日の夕方からは、市内某神社から助勤として受けた神葬祭へと奉仕に行かれました。

宮司は、社務全体を統括しており、昨日の午前中は宮司がずっと御祈祷を行っていましたが、午後からは授与所に入られたため、午後の御祈祷は主に私が行っていました。つまり、各職員によって奉仕する場所や内容がかなり異なっており、ですから今日の記事でまとめた内容は、あくまでも“私がこの二日間でした事”であり、これが正月における神職の平均的な社務である、とは解釈しないで下さい。各神社、各神職によってその奉仕内容は大きく異なります。

なお、「西野神社アルバム」の平成20年1月「正月(三賀日)」のページ(下記URL)に、元日から2日にかけて当社境内各所の様子を写した写真を多数アップさせて頂きましたので、そちらも是非御覧下さい。

http://nishinojinja.or.jp/photo/200101a.htm


(田頭)

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