西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

夏越大祓の「茅の輪」を設置しました

前回の記事で述べた通り、昨夜は、儀式殿(ぎしきでん)という社殿の竣工を神様に奉告・感謝申しあげ、併せて、西野神社御祭神の御分霊を本殿から儀式殿の神殿に奉遷する「儀式殿竣工遷座祭」という大祭が執り行われました。
お陰様で、儀式殿竣工遷座祭は滞り無く無事に執り納める事が出来ました。皆様方の御理解・御協力・御奉賛・御奉仕等には、改めて心より感謝申しあげます。

その竣工遷座祭の様子については、当日の写真(今回は外部の方に委託して撮影して貰ったため、今の時点ではまだ私の手元にはありません)が出来上がり次第、このブログで詳しく紹介させて頂く事とし、今回の記事では、竣工遷座祭翌日の今日行われた、「茅の輪」(ちのわ)舗設作業の様子について、紹介させて頂きます。
ちなみに、例年、茅の輪は毎年6月27日に作成・舗設しているのですが、本年の場合、その日は丁度竣工遷座祭当日と重なったため、今年は例年より1日遅れて、28日の今日、作業が行われました。

 

さて、例年通り6月30日は、この半年間(1~6月までの今年上半期)に個々人が知らず知らずのうちに犯したかもしれない様々な罪・穢れを祓い清め、併せて、残り半年間(7~12月までの今年下半期)の無病息災を祈願する「夏越の大祓」という神事が執り行われます。

その夏越の大祓では、大人がかがむ事なく立ったままくぐる事が出来る、茅の輪という大きな輪が用いられ、具体的には、大祓式の最中に参列者の皆様が一列に並んでその輪をくぐります

平成28年 西野神社 夏越の大祓

茅の輪は、神社によっては、総代さん達が作ったり、氏子青年会の会員さん達が作ったり、神輿会の会員さん達が作ったり、氏子の鳶職の方々が作ったりなどしているそうですが、当社の場合は、毎年神職が、当社氏子区域内にある山裾へ茅(かや)を刈り取りに行き、刈り取って車に積んできたその茅で大きな輪を作成し、それを拝殿向拝に舗設(固定)しています。

 

以下の写真は、今日の午前中、山裾で神職2人が、茅を刈り取っている様子です。茅の輪に適していると思われる、特に形の良さそうな立派な茅を選びながら、鎌で素早く次々と刈り取っていきました。
なお、一昨年まで、茅の輪に使用する茅は全て境外の山から刈り取っていましたが、昨年からは、境内の茅も刈り取れる程に生育してきたため、境内の茅も刈り取って使用しています。

平成29年 西野神社夏越大祓「茅の輪」作成作業
令和元年 西野神社夏越大祓「茅の輪」作成作業

以下の写真は、昨日竣工したばかりの儀式殿の地下で、刈り取った茅を束ねながら茅の輪を作成している様子です。直径約185cmのドーナツ型の輪の芯棒を、大量の茅で覆って縛ります。

令和元年 西野神社夏越大祓「茅の輪」作成作業
令和元年 西野神社夏越大祓「茅の輪」作成作業

以下の写真は、本日正午頃に拝殿向拝に取り付けられた、完成した茅の輪です。人がくぐる事の出来る大きさの茅の輪を舗設する場合、大抵の神社では参道などに茅の輪を設置していますが、当社の場合は、慣例によりここが茅の輪の定位置となっています。

令和元年 西野神社夏越大祓「茅の輪」
令和元年 西野神社夏越大祓「茅の輪」

この茅の輪は、夏越の大祓式(30日の午後3時から斎行)を行う今月末日までここに設置しておりますので、当日の大祓式に参列出来ない方は、事前に茅の輪をくぐりにお越し下さい。なお、茅の輪の由来については、平成19年6月27日付の記事を御参照下さい。

 

茅の輪の直ぐ横には、例年通り、茅の輪のくぐり方を説明した看板も立てています。もし可能であるなら、この看板に記されているとなえ言葉(和歌)を唱えながら茅の輪をくぐって下さい。
具体的には、「水無月の 夏越の祓ひ する人は 千歳の命 延ぶといふなり」という和歌を唱えて茅輪を正面からくぐって左へ廻り、再び正面に至り、次に「思ふ事 みなつきねとて 麻の葉を きりにきりても 祓ひつるかな」という和歌を唱えて輪をくぐって右へ廻り、再々度正面に至り、最後に「蘇民将来 蘇民将来」と唱えて輪をくぐり左へ廻ります。

平成30年 西野神社夏越大祓「茅の輪」看板

 

文責:西野神社権禰宜 田頭