西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

どんど焼き

どんど焼き

今日は小正月(こしょうがつ)です。小正月とは旧暦の1月15日のことで、1月1日の元日を「大正月」と呼ぶのに対してこのように呼ばれています。現在では、小正月の各種行事の内そのほとんどは、新暦の1月15日(つまり今日)に合わせて行われており、1月15日は、元旦から始まった一連の正月行事の最終日でもあり、そのためこの日を「正月送り」とか「あがり正月」などと呼ぶ地域もあります。

歳神様というお正月の神様をお迎えする行事が中心となっている大正月に対し、小正月は、豊作祈願などの農業に関連した行事が中心となっており、昔は、小正月の朝には小豆粥を炊いて食べるという習慣もありました。「土佐日記」や「枕草子」にも、小正月の日の朝に小豆粥を食べる様子が記されており、「延喜式」にも、小正月については「天皇・皇后らに七種粥、諸臣に小豆粥」と記されています。粥の中に竹筒を入れて、筒の中に入った粥の多少で今年の米の出来を占う、という占いも行われていたそうです。

その小正月の今日、当社では午前10時から、「どんど焼き」の神事が執り行われました。どんど焼きとは、お正月に各家庭や会社等で使った門松・〆飾りや、一年間お守り頂いたお札・お守り・破魔矢・注連縄などを、神社の境内に持ち寄って御神火によってお焚き上げし、その年の無病息災を願う、という日本の伝統的な火祭りで、お正月にお迎えした歳神様をお送りする、という意味も含まれています。どんど焼きの火や煙に当たると病気にならない、とか、どんど焼きの火で焼いた餅や団子を食べるとその年を無事に過ごせる、などとも云われています。

どんど焼きをいつ行うかは神社によっても違いがありますが、北海道神社庁札幌支部管内の大半の神社は、昨日もしくは今日のいずれかにどんど焼きが行われ、当社では毎年、1月15日に行っております。前日の夕方に、どんど焼きの斎場となる当社境内の第2駐車場に忌竹を4本立て、その忌竹を注連縄で結び、注連縄に紙垂を垂らして結界を作り、斎場の補設を行いました。そして当日の今日は、朝の8時過ぎ頃には総代さんたちに神社に来てもらい、神楽殿に納められていた〆飾、お札・お守り等の納め物を全て、どんど焼きの斎場まで総代さんたちに手分けして運んでもらいました。納め物が全て運ばれた後、その斎場に、地鎮祭で使っている屋外用の祭壇(三段式の案)をセッティングし、その祭壇の上に神饌三方5台)、大麻玉串を置き、祭典に備えました。

そして午前10時から、宮司と私の二人奉仕により、どんど焼きに先立ち「古神札燃納祭」という祭典が行われました。古神札燃納祭では、宮司も私も浄衣という純白の装束を着装し、神様へ感謝の気持ちを表すとともに、今年の無病息災・無事安全を御祈願しました。祭典は15分程度で終わり、祭典が終わるとすぐに、注連縄で張った結界の中に高く積まれた納め物に御神火を点火し、どんど焼きが行われました(写真参照)。

午前11時からは、当社氏子区域内にある福祉会館の駐車場でも「古神札燃納祭」が執り行われ、そちらの方は私一人で御奉仕させていただきました。福祉会館では、納め物は全てトラックの荷台に積んでおり、そのトラックの前で11時から古神札燃納祭を執り行い、祭典が終わると、納め物を積んだそのトラックは西野神社へと移動し、神楽殿でお預かりした納め物と一緒に神社の境内でお焚き上げされました。

どんど焼きが行われたため、今日は参拝者の数も多く、境内は久々に賑やかな雰囲気となりました。三が日以降ですと、三連休となった7〜9日にかけてと、今日が、特に参拝者が多かったです(それ以外の時期は少なかったです)。多くの参拝者に対応するため、今日は、年末年始に巫女として助勤に来てもらった高校生2人にも再び助勤に来てもらい、授与所に詰めてもらいました。しかしその授与所も、明日以降は再び暇になるため、正月行事最終日の今日を以って一旦閉め、明日以降は、再び授与所を開ける9月の秋祭りまで、社務所の玄関にて授与品の授与を行います。どんど焼きは神社にとっても一つの区切りとなる行事で、当社では先月下旬から年末年始の特別体制(授与所の開設、朝拝行事の休止など)が続いてきましたが、明日以降は、通常の体制に戻ります。

そろそろ辺りが暗くなってきた夕方の4時半には、ホイールローダーで雪を炎の上に次々と被せ、どんど焼きの炎を鎮火しました。お札・お守り等授与品の納め物については、当社では通年お預かりしておりますが、門松や〆飾り等の正月飾り関連の品々は、今日でどんど焼きが終わったため、明日以降はお預かりできません。毎年、どんど焼きが終わってから正月飾りを神社に納めに来る方が少なからずいるのですが、どんど焼き以降、当社に持ってきていただいた正月飾りについては当社では管理の都合上お預かりできないので、自宅の庭先で焼納していただくか、あるいは、塩などで祓い清めて御処分いただくか、もしくは来年のどんど焼きまで保管しておいてもらう等していただいておりますので、御理解・御協力お願いいたします。

ところで、地域によっても違いがあるのですが、一般には正月飾りは、「人日の節供」の7日から、「小正月」前日の14日にかけて外す所が多いです。関西では14日に外す所が多いそうですが、関東では6日に外す所が多いらしく、地域によってはさらに早く、東北の一部では4日にはもう早々と外してしまうという所もあるそうです。逆に、外さずに一年中ずっと正月飾りを飾り続ける地域もあるようです。

ちなみに、松の内に忙しく働いた主婦を労うという意味で、小正月を「女正月」と呼ぶ地域もありますが、これは、正月中、女性は忙しく動き回るため、ようやく一息つき、年始回りを始めたりできるようになるのがこの頃だという事に基づいての呼称だそうです。小正月までを「松の内」と云うのは、小正月に松飾りを取り払う「松納め」が行われるためだそうです。もっとも実際には、前述のように小正月の前に飾り物を外してしまうという地域も多くありますが。

(田頭)