西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

夏越の大祓

夏越の大祓

今月20日付の記事「夏越の大祓の御案内」や同27日付の記事「茅輪(ちのわ)作成」などでお知らせさせて頂きましたように、当社では今日、毎年6月恒例の神事「大祓式」(夏越の大祓の神事)を斎行致しました。夏越の大祓とは、一言で言うと、正月から今日までの今年半年間の罪穢れを祓うと共に、残る今年半年間の無病息災を願う神事です。

大祓の神事は、地方や神社によって執り行う日時や場所などが異なり、神事の内容もかなりの差異が見られますが、当社の場合は、日時は毎年6月末日と12月末日の2回、共に午後3時から斎行しております。また、場所については、6月の大祓式(夏越の大祓)は拝殿前で、12月の大祓式(師走の大祓)は拝殿内でそれぞれ斎行しています(茅輪を舗設するのは6月末の大祓だけです)。

道内の神社の場合、夏越の大祓は概ね今日執り行う所が多いようですが、地方によっては、旧暦の6月末前後に行ったり、夏祭りに合わせて行ったりする事も多く、斎行場所についても、茅輪を潜る神事だけは社殿の外で行い祝詞奏上などそれ以外の神事は社殿内で行う、といった所も多いようです。

神事の開始時刻についての定めはありませんが、明治8年に式部寮で定めた「神社祭式」には「午後2時」という記述があり、また大祓詞には「夕日の降」という言葉がある事から、時刻はこれらに基づいて適宜に決めれば良いとされており、そのため大抵の神社は午後3時から大祓の神事を行っているようです(当社の場合も毎年午後3時から斎行しております)。

以下に、今日斎行させて頂きました当社での「夏越の大祓」の式次第を書かせて頂きます。当社では、毎年このような形で夏越の大祓の神事を進めております。


(1)修祓

祭員は祓詞を奏上した後、上の玉串、切麻(半紙を一寸程度の正方形に寸断した紙片)、参列者及び参列できない方から事前に納められた人形(ひとがた)などの形代、授与品(神事の後参列者にお渡しする撤下品)を祓い、次に斎主(宮司)を祓い、次に参列者を祓います。

(2)一拝

大祓の神事を始めるに当たり、斎主以下祭員が御神前(向拝)で一拝します。

(3)大祓詞を宣る

斎主が自座から大祓詞宣読位置(参列者と斜めに対面する位置)に進み大祓詞を宣読し、祭員や参列者はそのままの位置で、齋主に合わせて大祓詞を奏上します。

(4)切麻を頒つ

斎主以下祭員が、切麻を奉書で包んだ紙包を参列者全員に配布します。

(5)切麻を執りて祓う

参列者は配布された紙包を広げ、自分の身が祓い清められる事を祈念しながら紙包の中に入っている切麻を右手で左・右・左の順に自身に掛け散らします。次に、今日までの今年半年間の一切の罪穢れが祓われる事を祈念しながらその紙包に息を吹きかけ、次に、この暑い夏を乗り切って残りの今年半年も無病息災で過ごせる事を祈念しながらその紙包で全身を撫でます。

(6)切麻を回収

斎主以下祭員が、参列者全員から、切麻の入っていた紙包を回収します。

(7)茅輪を潜る

斎主以下祭員並びに参列者は、唱え言葉を誦しつつ茅輪を三度潜ります。まず「水無月の 夏越の祓ひ する人は 千歳の命 延ぶといふなり」と唱えて茅輪を正面から潜って左へ廻り、再び正面に至り、次に「思ふ事 みなつきねとて 麻の葉を きりにきりても 祓ひつるかな」と唱えて輪を潜って右へ廻り、再々度正面に至り、次に「蘇民将来 蘇民将来」と唱えて輪を潜り左へ廻ります(写真参照)。

(8)祝詞奏上

斎主が祝詞奏上位置(本殿の神様と向かい合う、向拝の中央)に進み、斎主は、参列者及び形代を納められた方全員が、今年の残り半年間も健康・無病息災で過ごせる様祈願(祝詞奏上)します。

(9)斎主以下祭員玉串拝礼

斎主以下祭員が玉串を奉り拝礼します。

(10)参列者玉串拝礼

参列者の代表者が玉串を奉り拝礼し、代表者以外の参列者は全員、代表者に合わせてその場で拝礼します。今日の大祓式では、当社敬神婦人会の計良会長に参列者を代表して玉串拝礼をして戴きました。

(11)一拝

神事の終わりに、斎主以下祭員が御神前(向拝)で一拝します。

(12)斎主挨拶

宮司が参列者に挨拶をし、その後、参列者の方々に授与品を頒布します。今年の夏越の大祓の参列者の数は当社の予想を大幅に上回り、そのため、用意していた授与品の数が足りなくなってしまい、授与品の頒布は一家族につき一つとさせて頂きました。参列者の皆様方には御迷惑をおかけする事になってしまい、大変失礼致しました。


なお、今日の夏越の大祓の様子を写した写真は、「西野神社アルバム」の平成19年6月「夏越の大祓」のページ(下記URL)に多数掲載させて頂きましたので、そちらも併せて御参照下さい。

http://nishinojinja.or.jp/photo/190630.htm

ちなみに、例年は、大祓式当日までに人形(ひとがた)を神社に納めに来て当日の神事には参列しないという方が多く、そのため一昨年の夏越の大祓の参列者はたったの7人、昨年の夏越の大祓の参列者数は、前年よりは増加したもののそれでも30人弱程度でした。しかし、今日の夏越の大祓の参列者は、昨年や一昨年を大幅に上回り、百名近い方々が参列して下さいました。

参列者の数が多かった事は当社にとっては「嬉しい誤算」と言うべきなのですが、しかし、そのために例年以上に神事に時間がかかってしまったり、授与品の数も足りなくなってしまうなど、結果的に参列者の皆様に御迷惑をおかけしてしまった事も事実で、その点については私共も大変申し訳なく思い、反省しております。失礼致しました。

参列者の皆様方、今日はお忙しい中、ようこそお参り下さいました。


(田頭)