西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

地鎮祭の式次第

祝詞奏上

地鎮祭は、同じ地域でも神社によってかなり式次第が異なることがありますが、当社の地鎮祭は、以下の式次第で斎行しています。

① 修祓(しゅばつ)

祭典に先立ち、神職が、お供え物(神饌)と、参列者の方々をお祓いいたします。神職がお祓いの祝詞(祓詞)を奏上している間と、お祓いを受けるときは、軽く頭を下げましょう。

② 降神(こうしん)

地鎮祭を始めるに当たり、神様を祭壇の神籬(依代)にお迎えします。神職は、神様に降りてきていただくための祝詞を微声(小声)で奏上し、そのあと、大きめの声で「オオー」と発声します(警蹕)。神職が「オオー」と発声している間、参列者は頭を下げましょう。

なお、神社祭式上は、神職が一人で祭典奉仕する場合は警蹕は必要ないのですが、実際には、当社を含め大半の神社で警蹕を行っています。

③ 献饌(けんせん)

祭壇にお供えされている神饌を神様にお召し上がりいただくため、神職が御神酒と水器の蓋を開けます。

ちなみに、当社で斎行する外祭では、神饌を載せる三方(3方向の側面に穴が開けられている白木で作られた台)は7台用意し、1台目に「米、酒」、2台目に「餅」、3台目に「鯛」、4台目に「乾物」、5台目に「野菜」、6台目に「果物」、7台目に「塩、水」を載せて祭壇にお供えしています。

④ 祝詞奏上(のりとそうじょう)

これから先、神様からこの土地をお借りして家を建てることを奉告し、さらに工事の安全と無事進行を御祈念いたします(写真参照)。神職祝詞を奏上している間は頭を下げましょう。

⑤ 清祓(きよはらい)

神職が、その土地の四隅と盛り砂(忌砂)に塩を撒き、土地をお清めします。当社の地鎮祭では塩で清祓を行いますが、切麻(きりぬさ)もしくは御神酒などで清祓を行う神社もあります(当社の場合、上棟祭の清祓では塩ではなく切麻を用います)。

⑥ 地鎮の儀(じちんのぎ)

設計者が鎌で、盛り砂に刺さっている笹を刈る所作を3回行い、続けて建主が鍬(くわ)で盛り砂に穴を掘る所作を3回行い、神職が鎮物を盛り砂に納め、最後に施工業者が、鋤(すき)で穴を埋める所作を3回入れます。ただし、設計業者と施工業者が同一の場合は、鎌で笹を刈る所作は省略します。

なお、建主は神職から受け取った鍬を、穿つように盛り砂に3回入れますが、そのときは「これから家を建てるぞ!」という意気込みを込めて、力強く「エイ、エイ、エイ」と掛け声を発声します。「エイ」という掛け声には「栄える」の「栄」(エイ)という意味も込められています。ただし、これはあくまでも当社のやり方であって、神社によっては、鍬入れでは殊更発声せずに無言のまま行うように、と言う所もあります。

鎮物は、その土地の神霊を和め鎮めるために捧げるもので、基礎工事が終わり埋め戻しの折に、水回りの下にならない建物の中央か、もしくは、神棚の位置が決まっているのであればその下に埋めていただきます。鎮物が具体的にどのような物であるかは各神社によって異なり、神社によっては鎮物は使わない所もあります。

⑦ 玉串拝礼(たまぐしはいれい)

参列者が、神様に玉串を捧げて工事の安全をお祈りします。建主、建主の御家族、業者の順に拝礼していただきます。拝礼作法は「二礼二拍手一礼」です。

⑧ 撤饌(てっせん)

神職が、御神酒と水器の蓋を閉じ、神饌をお下げします。

⑨ 昇神(しょうしん)

祭壇にお迎えした神様に、元の座にお戻りいただきます。神職は、神様にお戻りいただくための祝詞を微声(小声)で奏上し、そのあと、大きめの声で「オオー」と発声します。神職が「オオー」と発声している間、参列者は頭を下げましょう。

※ 四方祓(しほうばらい)

祭典後、建主の方に、神様にお供えした米・酒・塩を、その土地の四隅に、北東(鬼門)から時計回りに順に撒いていただきます。

(田頭)