「勤労感謝の日」の今日、当社では、午前10時から参集殿にて総代会が開催され、どの神社にとっても例祭時期と並んで年間最大の繁忙期となる年末及び年始の事業計画(境内の諸準備、除夜祭、歳旦祭、境内の後片付け、焼納物の仕分け、新年交礼会、どんと焼きなど)や、それに伴う各準備作業(総代さん達の役割分担)等についての協議や報告が行われました。
そして午前11時からは、社殿にて「新嘗祭」(にいなめさい)の神事が執り行われました。新嘗祭は、弥生時代の稲作儀礼にまで遡る事ができる古式床しい祭典で、古代に於いては重要な国家儀礼の一つでもあり、現在の神社神道に於いても、「大祭」「中祭」「小祭」の3つの祭祀区分では最も重儀の「大祭」に位置付けられている祭典です。神社のみならず、今日は宮中でも新嘗祭が斎行されており(宮中三殿と連なる神嘉殿に於いて天皇陛下が、天照大御神を始めとする八百万の神々に新穀をお供えになります)、宮中の新嘗祭は、宮中恒例祭典の中でも特に重要な祭典(大祭)として執り行われています。
なお、当社では一昨年まで、この祭典は「新穀勤労感謝祭」の名で斎行していましたが、昨年からは、宮中や多くの神社と同じように、古儀に倣って「新嘗祭」の名で斎行させて頂いております。新嘗祭の趣旨や意義については、平成17年1月23日付の記事「新穀勤労感謝祭」で更に詳しく解説させて頂いておりますので、そちらも御参照下さい。また、宮中の新嘗祭については、平成19年11月2日付の記事「11〜12月の宮中祭祀」で詳しく解説させて頂きましたので、そちらも併せて御参照下さい。
当社での本年最後の「大祭」となる今日の新嘗祭には、招待者の方々(当社氏子区域内各地区の農事組合長さん達)、当社の責任役員の方々、総代長以下総代の方々、当社各崇敬会(萬燈保存会・神力会・敬神婦人会)の代表者の方々など、40名近くの方々に御参列して戴きました。
上の写真は、今日の新嘗祭では写真を撮らなかったため昨年の新嘗祭で撮ったものなのですが、これは、献幣(総代幣帛の伝供)の後、宮司が大前にて新嘗祭の祝詞を奏上している様子です。
そして、宮司による祝詞奏上の後は、僭越ながら私が大前で朝日舞を舞わせて頂きました(上の写真は一昨年の新嘗祭で撮られたものです)。ちなみに、私が大前で朝日舞を奉納させて頂くのは、4月の春季例祭と11月の新嘗祭の、年に2回です。
新嘗祭の後、午前11時40分頃からは、参集殿で昼食を兼ねた直会が開かれ、御神前よりお下げした新嘗祭専用の御神酒「白酒」(古式ゆかしく醸します濁酒で独特の風味を持つお酒)を、直会に出席して下さった方全員にお飲み戴きました。直会に出席して下さった皆様方は、御神酒やその他のお酒を飲みながら、大いに懇親を深められていたようでした。
(田頭)