先月28日付の記事「木彫取り付け工事完了!」で記させて頂きましたように、先月、当社の拝殿向拝に、とても素晴らしい木彫が取り付けられました。今日は、この木彫(大瓶束、蛙股、木鼻、宝尽くし)について簡単に解説をさせて頂きます。なお、今日の記事に貼付の写真は全て、クリックすると拡大表示されます。
上の左側の写真に写っている、「西野神社」と記された社額と、大きな注連縄との間にはめ込まれた木彫は、「大瓶束」(たいへいづか)といいます。大瓶束の中央で金色に輝いている三つ巴の御神紋は、金属の質感がありますが実際には金属ではなく、縁木(えんじゅ)という木に箔押しをしたものです。上の右側の写真は、その大瓶束を裏側(本殿側)から撮った写真です。
上の左側の写真に写っている、向拝側面の木彫は「蛙股」(かえるまた)といいます。また、上の右側の写真に写っている、柱から二方向に突き出ている木彫は「木鼻」(きばな)といいます。大瓶束と蛙股があった箇所には今まで格子がはめこまれていましたが、この木鼻があった所には、今まで何もありませんでした。
拝殿扉のすぐ上にはめ込まれた木彫(上の写真2枚)は、「宝尽くし」という、吉祥・招福を願う気持ちを具現化した文様です。「宝尽くし」には以下の柄が入っており、これらを観た人もその力を得るといわれています。
【打出の小槌】 …… うちでのこずち。願い事をしながら振ると、その願いが叶うと云われています。
【隠れ笠・隠れ蓑】 …… かくれがさ・かくれみの。災厄から身を隠くし、身を守ってくれます。
【宝珠】 …… ほうじゅ。金銀財宝を望むまま出すことが出来ると云われる不思議な珠です。
【金嚢】 …… きんのう。巾着(きんちゃく)を指し、銭貨・幸福・宝物などを入れて封じ込める物として昔から大切にされてきました。
【宝やく】 …… ほうやく。人の心に悪心を起こさせる悪霊の進入を防ぐ力が有ると云われている鍵です。
【巻物】 …… まきもの。知恵を授けてくれる書画巻です。
【分銅】 …… ふんどう。秤の基準であるので、大事にされました。
【丁子】 …… ちょうじ。健康を守る薬としての宝。
【軍配】 …… ぐんばい。戦いを勝利に導く神の気配を強め、凶を吉に変えます。
なお、向拝のこれらの木彫についは、「西野神社アルバム」の「その他」の、「拝殿向拝の木彫」のページ(下記URL)にも写真を掲載させて頂きましたので、そちらも御覧下さい。
http://nishinojinja.or.jp/photo/kouhai.htm
(田頭)