昨日の記事では書きませんでしたが、昨日私達が担ぎ手として御奉仕させて頂いた石狩市厚田区に鎮座するA神社の神輿渡御(みこしとぎょ)では、特筆すべき出来事がありました。
渡御の途中で「ワザ入れるぞ!」もしくは「ワザやるぞ!」という掛け声が入ると、担ぎ手達が皆で、その場で御神輿を垂直に立てるのです!確かにこれは“技”ですね。今までいろいろな神社の御神輿を担がせて頂きましたが、こういったワザは他の神社の渡御では見た事がないので、ちょっと驚きました。以下の写真4枚がそのワザを写したもので、御神輿を立てた上、更にその御神輿を時計回りに回転させている様子です。
この御神輿は神社の例祭で出御している神幸中の御神輿であり、神事を行なわずに巡行させる商店街などの所謂“カラ神輿”とは違うので、神職の立場としては「えー、こんな事していいの!?」という疑問が正直頭を過ぎりましたが、毎年行なっている事ならば、これももはや“一社の故実”(その神社だけの例外規定として古くから定着している伝統)なのかもしれません。
しかし更に凄いのは、この「ワザ」は御神輿を立ち上げて回るだけでなく、場合によっては、垂直に立ち上がった御神輿の先端に人が乗る事もあるのです!以下の写真2枚がその様子で、御神輿の担ぎ手2人が担ぎ棒の先端に乗っています。
何だか、正月などに見る消防出初式みたいな感じです。神様の載られる御神輿でここまでやってしまうと、これは神様のための神事というよりは、観客を楽しませるための曲芸もしくはアトラクションというべき性格の「ワザ」なのでしょう。
(田頭)