西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

秋まつり(例祭)

宮入

今日は年に一度の「例祭」が行われる日です。当社の祭事暦の上では、例祭は春季例祭(4月)と秋季例祭(9月)の2回ありますが、厳密な意味での例祭(その神社を代表する年に一度の大祭)は、今日斎行される秋季例祭が本来の意味での「例祭」に当たります。宵宮(前夜祭)が斎行されるのも御神輿(おみこし)の渡御が行われるのも9月の例祭だけです。

今日は朝6時半に出社し、境内の清掃や祭典の諸準備等を行いました。天候は生憎の雨(しかもかなり激しい雨)だったので、今日の神幸(御神輿の渡御)では、神幸の行列の参列者は皆ずぶ濡れになることが予想されましたが、しかし、どんなに酷い天候であろうとも例祭が中止されたり延期されたりすることは基本的にないので、例祭も神幸も予定通り決行です。

7時には、今日の9時からの神幸に参列する総代さんたちや町内会長さんたちが装束の着装のため参集殿に集合し、私たち職員もその着付けの手伝いをしました。総代さんたちは、白衣・袴(はかま)の上に格衣(かくえ)という装束を着装し、町内会長さんたちは、白衣・袴の上に裃(かみしも)を着装しました。

7時半過ぎ頃には、8時から斎行される祭典に祭員として参列するため、私たち職員は「正服」と云われる装束(衣冠)に着替えました。正服は、神職が祭典において着装する装束のなかでは最も正式で威儀のある装束で、神社本庁の祭祀服装規定によると、公式の場では、大祭のときと、天皇陛下や皇族の方がその神社に参拝に訪れるときにしか着装できない装束とされています。

8時からは、社殿で例祭が執り行われました。祭事の上では、この秋の例祭が年間で最も重要な祭典で、神社で斎行される祭典には大祭、中祭、小祭の三種(格付け)があるのですが、秋の例祭は大祭式で執り行われます。ちなみに、今年になってから当社において大祭式で執り行われた祭典は、現時点では、今日の例祭と、6月に行われた創祀120年記念の臨時大祭と、4月に行われた春季例祭の3つだけです。

8時半に祭典が終わると、9時にはすぐに渡御の行列が出発するため、急いで装束を着替え(正服から狩衣に着替えました)、私も行列に加わりました。渡御の行列は、神様の鎮まっておられる2基の御神輿を中心としながらも、総代さんたち、町内会長さんたち、お稚児さんたち、萬燈保存会伶人たちを荷台に乗せた何台ものトラック(華美な飾りつけを施した祭典仕様のトラックです)、総代長や副総代長を乗せた車、宮司や巫女さんを乗せた車など、全体的には車を中心に構成されているのですが、2基の御神輿のうちの1基の御神輿は、当社の神輿会(神力会)や他所から応援に来てくださった各神輿会の会員たちが直接肩に担いで威勢よく巡幸します。トラックの荷台の上には仮設の屋根やブルーシート等が張られているので雨は防げるのですが、御神輿を担いでいる人たちは皆ずぶ濡れになりながら御神輿を担いでいました。各神輿会の皆様方、お疲れ様でした!

その激しく降っていた雨も、幸い昼近くには上がり、以後は雨が降ることもなく、神幸はすべて予定通りに行われ、夕方4時には、行列は無事に神社に帰ってきました。今回貼付の写真は、その夕方4時頃の宮入の写真です。ちなみに御神輿の神幸中、神社では、子供を対象としたゲーム大会やこども相撲などが行われ、また神輿殿では古武術演舞の奉納も行われていました。境内で十数店の露店も営業していたため、神幸中も神社には多くの人々が訪れ大変賑わっていたようです。

御神輿が神社に帰った後は、すぐに遷霊(神様の御動座)が行われ、2基の御神輿に載っておられた神様たちは再び本殿の御神座に戻られました。そして4時半からは、この2日間の神事のなかでは最後の神事となる遷御祭が御殿で執り行われました。

夕方6時からは、昨夜に引き続き神楽殿で「民謡・演歌ショー」が行われ、神楽殿前の芝生には座りきれないほど多くの人々が集まり、プロの歌唱や講談を楽しんでいました。昨年の例祭の日のこの時間帯(御神輿の宮入の後)は、特にすることもなかったため私は授与所に詰めていたのですが、明日は大安の祝日であるため外祭が集中しており、そのため今日の宮入後はずっと外祭の神饌の準備等をしており、宮入の後も決行忙しかったです。

もっとも、忙しいのは私たち職員に限らず皆同じで、敬神婦人会の方々も、参集殿で、神幸で使われた装束の後片付け(濡れた装束を干して乾かしたり、濡れていない装束はアイロンをかけて畳んだり)をしており、神幸が終わっても皆黙々を働いていました。また、敬神婦人会の方々には、神幸の御旅所(西野福祉会館)で昼食の準備もしていただきました。敬神婦人会の皆様方、美味しいお昼ご飯を用意してくださってどうもありがとうございました。

「民謡・演歌ショー」は8時過ぎ頃に終わり、露店の営業も9時近くには終わり、2日間に渡って行われた今年の「秋まつり」は無事に終了いたしました。今日は、この一日だけで体重が数㎏減ったのでは、というくらい疲れましたが、しかしそれは「心地良い疲れ」といえるもので、昨日と今日の「秋まつり」の2日間は、とても充実した、密度の濃い2日間でした。

(田頭)