安産祈願の御祈祷とその授与品の紹介
今日は、戌の日(十二支の戌に当る日)と祝日(秋分の日)が重なった事から、多くの妊婦さん・御夫婦・御家族の方々が、当社へ「安産祈願」の御祈祷を受けに来られました。
過去の記事でも解説した事がありますが今回は改めて、この安産祈願の御祈祷や、この御祈祷を受けた方々にお渡ししている授与品について、詳述してみようと思います。
なぜ戌(イヌ)の日に安産祈願の御祈祷を受けに神社へ行く人が多いのかというと、犬は、沢山の赤ちゃんを産む割にはお産がとても軽いため昔から安産と多産の象徴とされて、そのため戌の日は、古来より安産の吉日とされ、犬にあやかってお産が軽く済むようにという願いから、戌の日に安産の御祈祷を受ける方が多いのです(勿論、戌の日以外の日に安産祈願の御祈祷を受けられても構いません)。
妊娠5ヶ月目に入った最初の戌の日に、腹帯(岩田帯)を締めて母子の健康を祈願する、という慣習は、全国的にも広く定着しております。
また、当社の場合は主祭神である豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)様の代表的な御神徳(所謂 御利益)が、縁結び・安産・育児などである事もあって、特に近年は戌の日の限らず、安産祈願の御祈祷を受けるため氏子区域以外からも、安産を願う多くの妊婦さん達が御家族と共に当社へお参りに来られます。
以下の写真は、いずれも今日撮られたものではありませんが、当社の社殿内で撮影された、安産祈願の御祈祷のイメージ写真です。
斎主(御祈祷を執行する神職)は、感染症対策に万全を期しながら粛々と御祈祷を執り行ない、大前にて「お子様が無事産まれ、出産の後も母子共々健康でありますように」という事を、祝詞(のりと)奏上という形で心より祈念致します。
下の写真に写っている授与品が、安産祈願の御祈祷を受けに来られた方々に当社がお渡ししているセット(授与品一式)です。但し、この写真に写っている内容は令和3年9月現在のもので、内容は時期によって多少変動する事があります。
上の写真の前列左側から、全国敬神婦人連合会と全国女子神職協議会が共同で発行している冊子「腹帯イロハ ~命をはぐくむ心と作法~」、妊婦さんが無事に出産を迎える事が出来お産が軽く済むようにと祈願されている「安産祈願のおふだ」、桐の木箱に納められている高級感のある「安産お守り」、ベルト状の「安産腹帯」です。
後列中央にあるのは「安産絵馬」、後列右奥にあるのは「子宝安産狛犬」(こだからあんざんこまいぬ)です。
「安産祈願のおふだ」は、御家庭に神棚がある場合は神棚(お宮の扉の中ではなく、お宮の横など)に、神棚がない場合は、立った時に自分の目線よりも上になる高さの、清浄な場所(例えば本棚とかタンスの上など)にお祀りして下さい。
「安産腹帯」は、妊婦のお腹を冷やさない、妊婦を精神的に落ち着かせる、胎児の位置がずれるのを防ぐ、胎児の霊魂や精神をも安定させる、などの目的から妊婦さんがお腹に付ける帯です。
腹帯にはいろいろな種類があり、昨年まで当社で授与していた腹帯はさらしタイプ(昔ながらの長い帯状の腹帯)でしたが、今年になってからは、ベルトタイプ(より使いやすいベルト状の腹帯)に変更しております。
なお、安産祈願の御祈祷を受けられる際、もし自前の腹帯を用意して来られた場合は、その腹帯も一緒にお祓い致しますのでお申し出下さい(身に付けて来られた場合はわざわざ外さなくても結構です)。自前の腹帯を持ってきた場合、持ってこなかった場合、どちらの場合でも、この写真の腹帯はお渡ししております。
「子宝安産狛犬」は、出産までは安産祈願のおふだと共に神棚(神棚がない場合は清浄な場所)に奉安して安産を祈願し、出産後は、狛犬側面のどちらかの白い余白部に細マジックもしくはサインペンなどで赤ちゃんの生年月日と氏名を記入し、初宮詣の際などに当社へお納め下さい(神職もしくは巫女に直接お渡し下さい)。
当社に納められた狛犬は大前に奉納され、神様に末永くそのお子さんの成長をお守り戴きます。
可愛らしい2匹の子犬のイラストが描かれている「安産絵馬」は、安産祈願の御祈祷を受けられた後、無事な出産を願ってその思いを書き、授与所窓口右奥にある絵馬掛けに掛け奉納していって下さい。
絵馬を書く際に使う筆記具(細マジックなど)は、当社社務所の玄関や、社務所内の御祈祷控え室などに用意しております(安産祈願の御祈祷が特に多い日は、社務所の広間を開放し、そこに絵馬を書くためのテーブルと筆記具を用意致します)。
「安産祈願のおふだ」や「安産お守り」は、お子様が生まれた後(初宮詣の時で構いません)、当社もしくは最寄の神社に、お焚き上げ品としてお納め下さい(但し神社によっては、その神社で頒布している授与品以外は受け取ってくれない場合もあるかもしれません)。
当社大前で安産祈願の御祈祷を受けられた妊婦さんや、当社へ安産のお参りをしに来られた妊婦さんの全員が、問題無く健康な状態で出産を迎え、無事にお子さんを出産され、そして、そのお子さんが伸びやかに健やかにすくすくと成長されます事を、当社神職一同、心より御祈念申し上げます。