西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

令和二年 西野神社 秋まつりについて

既に御案内の通り、本年9月19・20両日に執り行われる「令和二年 西野神社秋まつり」は、1日目夕刻の中祭「宵宮祭」と2日目朝の大祭「例祭」については平年通り斎行されるものの(但し例祭の斎行時間については変更が生じます)、それら以外の神事・行事・催しなどは、“コロナ禍” と称される昨今の厳しい情勢を鑑みて、ほぼ全て中止となります。
当社としても残念で心苦しい限りですが、皆様方の健康と安全を第一に考えた結果の決定ですので、どうか御理解・御了承下さい。

秋まつりの境内風景

 

下の画像は、当社の氏子・崇敬者・関係者向けに先日印刷された文書(A4サイズの黄色い紙1枚)で、この文書は近日中に、当社氏子区域内 各町内会の回覧板に挟まれて氏子区域内各戸を巡回する予定です。画像として取り込んだその文書をここにも掲載致しますので、宜しければ是非御一読下さい。
ちなみに、この画像はクリックすると拡大表示されますので、文書の文字が小さくて判読し辛い場合は、拡大表示の上御覧下さい。

「令和2年 西野神社 秋まつりについて」2013年新春号

 

上の画像の文書内でも述べられている通り、本年の秋まつりでは、神輿渡御や奉納行事、奉納提灯の献灯、露店の出店などは全て中止となります。
具体的に中止になる行事・催し物等の一覧、本年の秋まつり当日に於ける日程、例年御協力をお願いしている秋まつり関係の御寄付について、その他詳細については、以下の記事を御参照下さい。こちらで詳しく説明させて頂きました。
https://nisinojinnjya.hatenablog.com/entry/2020/07/11/205246

 

“お祭りの華” ともいえる雄壮で活気溢れる神輿渡御が中止となり、また、朝から夜まで多くの人達で賑わう露店も全く出店されないため、大多数の人達からは「つまり、今年の西野神社の秋まつりは中止になったという事ですね」などと誤解されてしまいそうですが、前出の画像(黄色い用紙)の文書内でも述べている通り、神社のお祭りに於いて最も大切な神事、特に、秋まつりの中核となる「例祭」とその前夜祭に当る「宵宮祭」については、例年通り大前にて粛々と執り行い(勿論、時節柄、所謂「密」な状態にはならないよう、十分配慮しながらの斎行となります)、少なくとも当社の認識としては秋まつりを中止しわたわけではない、という事は是非とも御理解戴ければと思います。

もしかすると、「秋まつりのほとんどの行事を中止するのであれば、例祭だって中止しても良いのでは?そこまで神事に拘る必要ってあるの?」とか、「このようなコロナ禍といわれる状況下で、そもそも例祭なんてやっている場合なの?」といった御意見もあるかもしれません。
しかし、神社が神社としてそこに存立している限り、例えどのような状況になろうとも、恒例祭祀の中でも最重要で特別な大祭である例祭を中止するという事は、原則としてありません。

宮城県山元町に鎮座する八重垣神社さんは、平成23年3月、東日本大震災による津波で境内の全てが流されました。社殿も、祭器具も、宮司宅も、全てを流失しました(現在は再建されています)。
しかし、そのような絶望的で過酷な状況下でも、同年の夏まつり(例祭)は役員の参列で祭祀のみ行なわれたと記録されています(神輿渡御は翌年から再開したそうです)。

また、北海道厚真町に鎮座する厚真神社さんは、平成30年9月、北海道胆振東部地震により、大鳥居が倒壊し、社殿も柱が歪んで大きく傾き壁も崩れるなどし、極めて大きな被害を受けました(現在は再建工事が進んでいるそうです)。
しかし、そのような状況でも、地震直後に秋まつり(例祭)の祭祀だけは行なわれ、社殿の外で宮司さんが祝詞を奏上されたそうです。

つまり、どのような状況であっても神事の斎行は常に最優先する、むしろ過酷な状況な時こそ、例年にも増して真摯に神明奉仕し、“なかとりもち” として大前に額ずいて只管人々の安寧を祈る、というのが私達神職の役割であり、それは神社神道としての信仰の根幹でもあり、地域一帯の “心の拠り所” でもある神社としては絶対に譲る事が出来ない部分でもあるのです。
万一、天変地異などで境内全域が壊滅的な被害を受けたり、御祭神の鎮まる社殿が全壊し社殿の使用が不可能になったとしても、地鎮祭などの外祭用の祭壇をその場に舗設して神籬祭祀の形ででも例祭を執り行う、というのが神社としての立場なのです。

 

というわけで、本年の西野神社秋まつりは、決して中止になったわけではありません。とはいえ、秋まつりの大半の行事の中止が決まった以上、残念ながら、例年の秋まつりに比べると、本年の秋まつりがかなり寂しいものになるのは確かです。
しかし、社務所玄関の窓口(御祈祷の受付、御朱印の頒布などをしています)や、授与所の窓口(おふだやお守りなど各種授与品の授与を行っています)などは、本年の秋まつり期間中もいつも通り開けますし、勿論、拝殿向拝(賽銭箱の置いてある所)からのお参りも出来ますので、もし御都合が宜しければ、本年の秋まつりが行われる9月19日・20日のいずれか、もしくは両日、是非御家族お揃いで当社へお越し下さい。
皆様方の御参拝をお待ちしております!

秋まつりの境内風景

 

以下の記事7本は、いずれも昨年(令和元年)の9月頃にこのブログにアップした、昨年の「西野神社 秋まつり」についての記事です。本来であれば、本年の秋まつりもこれらの記事で述べられている内容とほぼ同様の内容になるはずでした。来年(令和3年)の秋まつりは、これらの記事で述べられているような盛大な形で行なわれる事を願ってやみません。

▼ 「令和元年 西野神社 秋まつりの御案内」
https://nisinojinnjya.hatenablog.com/entry/2019/09/01/000000

▼ 「今日から西野神社秋まつりです!」
https://nisinojinnjya.hatenablog.com/entry/2019/09/14/063000

▼ 「今日は神輿渡御が行われます!」
https://nisinojinnjya.hatenablog.com/entry/2019/09/15/044325

▼ 「令和の御代初めてとなる西野神社秋まつり(その1)」
https://nisinojinnjya.hatenablog.com/entry/2019/09/26/000000

▼ 「令和の御代初めてとなる西野神社秋まつり(その2)」
https://nisinojinnjya.hatenablog.com/entry/2019/09/28/000000

▼ 「令和の御代初めてとなる西野神社秋まつり(その3)」
https://nisinojinnjya.hatenablog.com/entry/2019/09/30/000000

▼ 「令和の御代初めてとなる西野神社秋まつり(番外編)」
https://nisinojinnjya.hatenablog.com/entry/2019/10/04/000000

 

文責:西野神社権禰宜 田頭